障害をお持ちの方の中には、一般企業へ就職する前に就労移行支援の利用を進められ、検討する方も少なくありません。しかし、移行支援を利用する上で、どのようなことを行うのか、就職に必要なスキルを身に付けられるのか、という疑問を持つ方や不安を感じる方もいらっしゃることでしょう。そこで、私が経験したことを含め就労移行支援では、どのような事をするのか紹介したいと思います
就労移行支援は福祉サービスの一つ
一般企業で働きたいと希望する身体や知的・精神障害者を対象に、仕事で必要なコミュニケーションスキルや知識・ITに関するスキルなどの向上をサポートする事業所になります。
移行支援をすすめられる理由
一般企業へ就職すると、周りの方とコミュニケーションを取りながら業務を行う必要がありますし、コンピュータを使ったお仕事に就く場合には、最低でも基本操作や知識を持っていなければ業務を行うというのは難しいです。
健康な方と同じように、専門学校へ通うことができれば、スキルに関して困るというのは無いと思いますが、障害があると通えないという高い壁が存在します。そこで、移行支援では、個々の支援計画に基づいて「学校」に近いカタチで通い学べるという支援体制が設けられています。
どんな事をする?
私が移行支援に通い始めたのは、20代前半だった記憶があります。事業がまだ立ち上がったばかりで、支援の方向性や利用者さんが集まるまでは、B型のメンバーさんと一緒に竹を使用したカゴを編みお店へ出品するほか、夏の時期に挨拶まわりで購入するお中元の箱を組み立てる作業などもしていました。
そして、移行支援が本格的にスタートすると、毎日のように下記のことを行っていました。
移行支援プログラム
〇朝会 健康状態や昨日あったできっごとなどを発表
(健康管理はもちろんのこと他人と話すというコミュニケーションの取り方を学ぶ)
〇挨拶の訓練
(出勤時や退勤時の挨拶や返事の練習)
〇座学
(漢字の読み書きや計算といった自主学習)
〇面接を想定した訓練
(いつ面接先が行われてもいい様に、履歴書の書き方や面接時の注意点などを学ぶ)
〇ハローワーク(職員引率の上窓口へ)
などがありました。
現在は移行支援も、増えているので上記と同じ様なことをしているとは、言えませんが、面接などの訓練については、企業を面接して入社した後でも必要な動作などが入っているので、移行支援を離れた後も役に立つ機会が多いと思います。
利用者に怒られる支援者もいる
移行支援と聞くと、お世話になった事のある方や現在利用している方から見た雰囲気は「一人でも多くの障害者の方を、企業へ送り出そう」という支援の熱意を感じる場合が多いと思います。
しかし事業所によっては、利用者は一生懸命訓練に取り組んでいても、支援に携わっている職員がそうではないと言う場合もあります。お恥ずかしい話でもありますが、実際に私自身が通っていた支援事業所がそうでした。
利用者には、面接時の注意点やマナーなど口うるさく言う職員でしたが、企業での面接へ同行するやいなや、マイナスな発言と行動が見受けられ私自身の怒り度が面接修了持にはピークに達していました。こういう事は、二度として欲しくないと事業所へ戻った時、一日の振り返りノートに、びっしり書き残したら後に謝罪はありましたが面接の結果は、願い叶わずに終わりました。
職業訓練校にも行ける
移行支援を利用する目的は「就職すること」です。障害の程度や就労先の設備状況・資格によって、面接などに辿りつくまでに時間が掛かる場合もあります。原則、移行支援は2年間という期限がある為、1年を過ぎると焦ってしまいがちです。
一人ひとり進路が異なるので、就労移行支援に来た当初の最終目標は就職であったとしても、パソコンの基本操作や資格取得が必須とハローワークで知ることができれば、職業訓練校を受験する方向へ支援内容を変更し、試験に向けた学習などに時間をあてることもできます。
最後に
移行支援事業所へ通う利用者の中には、新卒者の方々もいると思います。学生生活を終えたばかりで「何がしたいのか分からない」という方もいるのも確かです。その様な時は、職員さんに相談しましょう。精神障害や知的障碍者の場合、移行支援でプログラムをやっている間に、職員さんがハローワークと連携し実習先を見つけつなぐ場合もあります。
私用できる期間は限られていますが、自身の目標に対して力あっせんし、心強い味方となる
移行支援事業所なので、積極的に活用することをオススメします。