視覚障碍者の移動手段

視覚障碍者の移動手段

私たち視覚障碍者は、視力の低さや視野の狭さの影響で街中を歩くのがけっこう大変です。どうやって出かけているのか気になっている方も多いのではないでしょうか?

今回も実際に私がどうやって外出しているのか事例を交えながら視覚障碍者の移動手段を3つ紹介していこうと思います。

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視覚障碍者の移動方法

私は普段、白杖を使って通勤や買い物、旅行に出かけたりしています。

一人暮らしを始めてからは、今までの自分なりの工夫や公的サービスを利用して生活していますが、現在の生活に至るまでけっこう時間がかかりました。

まず、私たちがどんな風に街中を移動しているかについて、今回も私自身のことを一例に織り交ぜながらお話を進めていこうと思います。

 

1.白杖

現在私が利用している移動手段のひとつです。

街中でも見かけるのではないでしょうか?

 

白杖には、

一人で歩行することを目的とした丈夫で長めの杖

自分が視覚障碍者であることをアピールするために持つ専用の細い杖

視覚障害と身体障害を両方持っている方向けに体を支える役割も兼ね備えた杖

目の前の人や障害物を振動で教えてくれる杖

 

などいろいろな種類があります。

 

私は、弱視ですが両目の視野と視力にばらつきがあるので歩行用の折り畳みができるタイプの杖を利用しています。

どんな風に白杖を使うのかというと、地面に白杖の先を滑らせるように左右に振って、「路面に凹凸や水たまりがあるか」「階段や段差の有無や高さ」「人と自分の位置や距離」「乗り物と歩道の距離などを感覚的に把握するために利用します。

 

値段は白杖の形状や素材などで変わってきますが、約3000円~10000円くらいで、身体障害者手帳を持っている方であれば日常生活用具の割引制度を利用することができます。

 

私たちは、白または黄色の杖を持つことを道路交通法で義務付けられています。

でも「持っていると恥ずかしい、おしゃれじゃない」「白杖はまったく目の見えない人が持つ物というイメージが先行して広まっているため持ち歩きにくい」などの理由からすべての視覚障碍者が白杖を持っているというわけではありません。

そういった意見を受け、白杖は全盲以外の視覚障碍者も持つ補装具であることを周知するためのキャラクターやマークづくり、見た目がおしゃれな白杖の販売、女性向けにネイルストーンなどで白杖をデコレーションをしてくれるネイルサロンの増加など徐々に白杖への理解と販売されている白杖のバリエーションが広まってきています。

 

2.盲導犬

盲導犬とは、視覚障碍者が安全に道を歩けるようにサポートする介助犬のことをいいます。

盲導犬がつけている白い胴輪はハーネスといって、盲導犬ユーザーはハーネスを通して盲導犬の動きを把握し、障害物や横断歩道、段差などを確認しながら安全に道を歩くことができます。

また、盲導犬は平成14年10月に施行された身体障碍者補助犬法に基づき認定され特別な訓練を受けています。そのため役所などの公共施設はもちろん、電車やバスなどの交通機関、スーパーやショッピングモールなど様々な場所に同行することが可能です。

最近ではテレビや盲導犬ユーザーからの情報発信によって認知されてきましたが、タクシーの乗車や飲食店の入店を断られたり、ハーネスをつけた仕事中の盲導犬に対し声をかけたり触るなど、盲導犬や一緒に歩行しているユーザーさんへの接し方がまだまだ認知されていないことも多いようです。

 

3.同行援護

同行援護も私が利用している移動手段のひとつです。

同行援護は簡単にいうと視覚障碍者に特化した移動支援のひとつで、視覚障害者との歩行などの研修を受けたヘルパーさんに一緒に外出をしてもらう公的サービスです。

移動支援だけでなく外出先での情報提供や代読・代筆などでも利用することができます。

例えば、私は週に1度1週間分の買い物に行くときや、銀行や役所での手続きの際に代筆をお願いしたりします。

よく行くスーパーで、店頭に並んでいる商品の配置や場所を覚えていて、買う物が少なければ、一人でもサッと買い物をして帰ることはできるんです。

でも、いつもと違う商品を買いたいときや買う物の量が多いとき、商品の配置換えがあったときは大変です。何時間もお店の中をさまようことになるでしょう。

同行援護で買い物をするときには、野菜の質や値段、お肉のグラム数、商品の種類と価格差など細かく教えてもらっています。

また、セルフレジの操作やマイバックへ商品を入れることも手伝ってもらっています。

一人で1週間分の買い物をするとどうしても1時間以上はかかってしまいます。

でも同行援護で買い物をすると早くて30分買い物から冷蔵庫への整理まで終わってしまいます。ほんとありがたいです。

同行援護は、身体障害者手帳を持っている方や難病者の方が利用できる福祉サービスなので、居住している地域の役所で申請して利用することができます。

最後に

今回は、視覚障碍者の移動手段についてまとめてみました。

今回紹介した内容は、まだまだ書き足りない部分がありますので、また記事をアップしますね。

 

 

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