音響装置付信号機について

音響装置付信号機について

いきなり自分の話ですみません…。

わたしは重度の弱視なんですが、日中は1車線くらいの距離であれば信号の色を確認することができます。夜ならば周りが暗くなる分もう少し色の確認ができます。

ある日、わたしはあるショッピングセンターにお買い物に行きたいと思いました。ところが、そのショッピングセンターは交通量がわりと多い交差点に位置していました。道は広く信号の色が見えないために、道を渡ることができません。わたしはすごく残念に思いつつお買い物をあきらめて帰りました。もし信号機に音があったらと思います。

今回は、視覚障がい者、特に重度の弱視者や全盲者が安全に道路を横断するための大きな助けとなる、音響装置付信号機について調べてみたいと思います。

信号機のバリアフリー

信号機は赤・青・黄色と色を変化させることで、車や歩行者が安全に往来できるように考え出された装置ですよね?でも、例えば停電などでこれが正常に作動しなかったら、大変なことになりますよね?

人は信号機の色の変化を見て安全に行動するわけですが、もしこの色を見ることができなかったら…。なんとなく想像がつくでしょうか?

そこで、「色の変化を音で知らせたら色が見えなくても自分で道を渡ることができるのでは?」そんな優しい発想がかたちとなって、音の出る信号機が設けられています。

 

信号機に「音」が追加されたことで、わたしたちはいのちも守られているんだな〜と感謝しています。

 

冒頭でお話した信号機も、のちに音響装置がついて、わたしもお買い物に行くことができました♪

信号機のバリアフリーで本当に助かっています。

 

信号機の音

信号機の音も、以前のメロディー式から「ピヨピヨ」「カッコー」といった擬音式に変化しています。これは、擬音式のほうが横断の方向をつかみやすいという理由があります。そう、音で歩く方向が判断できるように工夫されているんですね。なんかすごくないですか?

 

おおきな交差点など、2種類の音が同時になるときは、少し音をずらしてなるように工夫されています。目を閉じて聞いてみると、その違いがわかるかもしれませんね。

 

ちなみに「カッコー」という音は、道路の幅が広く、交通量が多い道に使われ、「ピヨピヨ」は、道路の幅が狭く交通量も比較的少ない道に使われます。

 

音響用ボタンと青信号延長用ボタン

音響装置付き信号機は、ボタンにもポイントがあります。それは音響用ボタン」と「青延長用ボタン」です。

 

音響用ボタン

これは、先ほどからご紹介している、音響式の信号機が押しボタンで操作できるというものです。これを押すことで、信号が青に変わるタイミングをはかれて、渡る方向も確認できます。

目が見えない場合は、信号機の位置と、これが押しボタン式であることを前もって知っている必要がありますが…。

 

青延長ボタン

これは、青信号の点灯時間を延長できるボタンです。ドライバーさんからしたら「は?」って思うかもしれませんね。

しかし、障がいなど早く歩くことが困難な方や、高齢のために素早い動きが難しい場合でも、青信号の点灯時間を延長することで、道を渡ることが可能になります。

 

うちの母は膝が悪かったので、広い道を渡るのを躊躇していたそうです。

ある日、お友だちのお見舞いに行きたいと思い出かけたのですが、病院の前に大きな道路があり「この距離は渡れないなあ」と、あきらめて帰ってきたそうです。

 

そのときに、青信号の点灯時間が延長できるボタンがあったら、きっと望みはかなっただろうな〜と思います。

タッチ式スイッチ

2016年からは、押しボタン式から軽くタッチするだけで作動するタッチ式スイッチの信号機も登場しています。視覚障がい者的には、ボタンを押した感覚がないので「押せてるの?」って不安に感じたりしますが…。

仕組みは、これまでの押しボタン式と変わらないとのことです。

 

音の出る信号機は騒音と感じる人も

視覚に障がいがあるわたしたちにとって、本当に助かる音響装置付信号機ですが、音が不要な方にとっては、残念ながら騒音に感じてしまうようです。

 

音が苦手な人には苦痛に感じてしまうのかもしれませんよね?

 

こういった声を受けて、現在設置中の音響装置付信号機のおよそ8割が深夜早朝の稼働時間制限を行なっています。

 

つまり、視覚障がい者が音の出る信号機と認識していても、稼働制限のかかった時間になると信号機の音は鳴らなくなり、ひとりでは、道を渡れないということになります。

 

必要な人のニーズではなく、必要としない人のニーズが反映されてしまっています。

 

ある日わたしは、それを知らず明るいうちに出掛けて、帰りに困ってしまったことがありました。幸い近くにいた方が気づいてくださって無事道を渡ることができましたが。

 

また、日中であっても音を小さくしている信号機もあり、車の騒音でかき消されて青信号がわからず、人が通りかかるまで待つこともあります。

 

アプリで進化新しい信号機のバリアフリー

今や誰もがスマホを持つ時代。

このスマホに信号機と連動できるアプリが開発されました。これってすごい!

わたしも含め、道の横断に困難を覚える人のすごい助けとなると思います。

 

2019年から、なんとスマホと信号機が連動する画期的なシステム「高度化PICS(Pedestrian Information Communication Systems)」の運用がはじまっています。

このアプリでは、今いる交差点の歩行者向け信号情報を、音・振動・画面表示で知らせてくれます。

 

その他支援サービスとして、お手持ちのスマホアプリからボタン操作が可能です。

もちろん、IOS・android携帯端末用に、それぞれアプリが用意されています。

 

これは必要な人だけにその情報が届くわけですから、とても良いサービスだと思います。

 

2021年3月現在、東京などで131か所と限られていますが、さらに普及してどこでも自由に道が渡れたらいいなと思います。

 

「信GO」というアプリを無料でダウンロードすることで、誰でも使うことができます。

 

まとめ

今回は、視覚障がい者向けの音響装置付信号機と、関連アプリについて調べてみました。

信号機に音をつけることに関しては、いろいろなご意見があるかと思いますが、これができたことでわたしは、自由に歩ける道が増えました。感謝しています。

 

また、アプリについては、まだ調べている段階ですが、使えたらさらに便利かなって思います。いろいろの方に支えられて、安全に過ごすことができて本当にありがたいです。

 

今回の記事をもちまして、ちょこ&みるくの記事執筆は終了とさせていただきます。

今まで読んでくださって本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう^o^♪

 

視覚障害カテゴリの最新記事

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com