視覚障害者とスポーツ

視覚障害者とスポーツ

視覚特別支援学校の体育の授業や、視覚障害者向けに考案されたパラスポーツについて、私の経験を交えながらご紹介します。

視覚特別支援学校の体育

まずは、私が学生時代にどんな授業を受けていたか、どんなスポーツをしていたか書いていきましょう。

正直、私は運動が得意というわけでも、好きだったわけでもありませんので、特に好きだった競技普通の学校とは違うような授業についてのみお話します。体育以外の授業についても記事にしてますので、良かったらこちらも読んでみてくださいね!

視覚障害者は、目の障害以外は基本的に健常者と変わらず体を動かす事ができます。なので、体育の授業では体操やストレッチ・跳び箱・平均台・マット運動など、普通の学校でも習うような運動も取り入れられています。

一般のスポーツと違うのは、マラソンや走る競技、球技は少し走り方やルールなどが変わっています。

走る競技で説明すると、短距離走スタートとゴールに教師や生徒が立ち、ゴール地点の人が手を叩いたり鐘・タンバリンなどを鳴らしてゴール地点を知らせてもらいながら走ります。

また、スタートとゴールに立つ人がバトンを通した紐を腰に巻き、走る人はバトンをつかみながら走る事もあります。紐にはバトンの他にスタートとゴールを示すため、タオルなどが巻き付けられています

マラソンなどの長距離走の場合は、伴走者と視覚障害者の二人がそれぞれ丸く結んだロープを片手で持ち、伴走者に誘導してもらいながら走ります。私が学生だった時は、全盲の生徒と弱視の生徒ペアを組んで走っていました。

 

まだまだたくさんある!視覚障害者のスポーツ

次に球技を中心とした視覚障害者のパラスポーツを紹介しましょう。最近名前が知られるようになったスポーツも多く、視覚障害者のスポーツも日々進化しているようです。

ゴールボール

ゴールボールは、視覚障害者の球技として考案されたスポーツで、ロンドンパラリンピックで日本女子チームが金メダルを取った事でも知られています。

光をすべてシャットアウトするアイマスク「アイシェード」を着用し、1チーム3人でゴールに点を入れる事で競い合います。

競技に使うボールは7号のバスケットボールほどの大きさで、重さはなんと1.25キロ!想像しただけでも痛い!

ボールの中には鈴が2つ入っています。試合中に投げ合うと衝撃で鈴がつぶれてしまうため、パラリンピックでは2~3試合ごとにボールを交換するんだそうです。

パラリンピックでは出場できるのは視覚障害者のみですが、日本選手権など、国内大会では健常者の出場も認められているらしいので、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?

フロアバレーボール

こちらも弱視・全盲・健常者が一緒にプレイできるように考案されたスポーツです。

基本ルールは前衛3名、後衛3名6人制バレーを採用していて、鈴の入ったボールをネットの下から転がしてプレイします。「ボールを転がす」といっても打つ人によってはかなりのスピードで転がっていきますので、大迫力の試合が楽しめます。

私が通っていた視覚特別支援学校は、フロアバレーボールグラウンドソフトボール唯一の部活だったので、フロアバレーボールに所属し九州大会にも行きました。アイマスクをして剛速球のボールを受けるのがすごく怖かった思い出があります(笑)

でも、白熱した試合はすごく楽しいのでぜひ体験してみてください。

グランドソフトボール

別名「転がしソフトボール」や「盲人野球」とも呼ばれる視覚障害者版の野球です。

プレイヤーは10人。こちらは鈴の入っていないハンドボールに似たボールを使うそうです。私が学生だった時はけっこう固めなサッカーボール使ってたような(笑)

ピッチャーは全盲と決められていて、キャッチャーがバッターの位置を手で叩く事で知らせます。その時は声での指示は禁止されています。

バッターがボールを打った後走る場合も、ベースの位置を手を叩く事で知らせます。

また、走っているバッターが守備をしている方とぶつかってけがをしないよう、守備ベースは離れて設置しているようです。また、全盲プレイヤーの中でもまるで晴眼者のようなプレイを見せる方もいるため、見ている方が全盲と弱視を見分けられるように、全盲の方はアイシェードを着用するそうです。

サウンドテーブルテニス

以前は「盲人卓球」と呼ばれていた視覚障害者版の卓球です。

卓球台は白や緑色の専用の台を使用し、ネットの下からボールを転がして点数を競い合います。ボールは白や黄色のピンポン玉で、中に鈴が入っています。

鈴の音はかなり小さいため、耳をすまさないと聞き取りにくいです。そのため、選手・観客共に試合中の私語は禁止されています。

試合形式も、シングルやダブルス、弱視と全盲それぞれの試合や、障害によるハンデをなくすためアイマスクを使用し全盲と弱視を交えて行う試合もあります。

フロアバレー同様、私が「楽しい!」と感じた数少ないスポーツのひとつです(笑)

ブラインドサッカー、ロービジョンフットサル

フットサルを基に考案されたスポーツで、5人1チームで試合を行います。

主に全盲の方がプレイする「ブラインドサッカー」と、弱視者がプレイする「ロービジョンフットサル」の2つのカテゴリーに分けられています。パラリンピックでは「5人制サッカー」、海外では「ブラインドフットボール」と、様々な名称で呼ばれているようです。

ブラインドサッカーでは、キーパー以外の選手は全員全盲で、アイマスクを着用してプレイします。ボールはハンドボールほどの大きさで、音が鳴るように鈴が入っています

一方、ロービジョンフットサルではボールに鈴は入っていません。選手はボールの音や感覚、選手同士の掛け声、ゴール裏にいるコーラーという役割の人に攻撃時のゴールの位置やタイミングなどを伝えてもらう事によって状況を把握しながらプレイします。

まとめ

視覚障害者のスポーツを簡単に4つご紹介してみました。

どのスポーツも迫力ある白熱した試合が見れますので、パラリンピックをきっかけにパラスポーツに興味を持った方はぜひ見て、体験してみてください。

ゴールボールブラインドサッカーは、私が学生だった時はなかった(または馴染みがなかった)スポーツなので、リサーチしながら一度生で見てみたいな~って思いました!

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