わたしたちの事業所がある嘉手納町は、沖縄本島の真ん中あたり、中部の中頭郡にあります。嘉手納の地名の由来は諸説あるようですが、一説には沖縄方言でめでたいという意味の「カリー」と、土地を意味する「ナ」が合わさって「カリーナ」から「嘉手納」と変化したといわれています。土地のおよそ80%を米軍基地が占める街で、まるで海外を思わせるような不思議な魅力があります。
この嘉手納町で、近ごろビックなニュースが!
それは、嘉手納町出身の仲地礼亜さん(沖縄大学4年)が、あの中日ドラゴンズからドラフト1位指名された話題です。小さな町に大きな喜びが湧き上がっています。
野球といえば…
あなたはグランドソフトボールをご存じですか?
これは旧名を盲人野球といいまして、視覚障がい者向けにアレンジされた野球なんです。この記事では、グランドソフトボールの魅力についてご紹介したいと思います。
グランドソフトボールの背景
視覚障がい者向けにアレンジされた野球(グランドソフトボール)は、1931年(昭和6年)から始まった歴史ある球技です。ソフトボールのようなボールを転がしてバットで打ち返しゲームを行うことから、「転がしソフトボール」とも呼ばれたりします。
ルールについて
グランドソフトボールは、視覚障がい者のために考えられた野球です。そのため、通常の野球とは異なる特別なルールも存在します。その内容とは?
基本ルール
グランドソフトボールは、ソフトボールを元にルールが決められています。
男女の区別はなく1チーム10人で編成され、そのうち4人以上が全盲の方となります。メンバーに健常の方が参加するのはOK です。
ピッチャーとバッター
ピッチャーは全盲の方に限られます。
声での合図はNGなので、ピッチャーにストライクゾーンを知らせるときは、手をたたいて知らせます。ピッチャーは音の示す方向を正確に見極め、その位置にボールを転がします。中には、変化球や強速球を巧みに使い分ける強者もいるとか。また、バッターは転がってくるボールの音を頼りに打ち返します。ちなみに、ボールには鈴など音のなる仕掛けはありません。
アイシェード(目隠し)は必須
参加メンバーで、全盲の方はもちろん、その代わりに参加する弱視の方や健常の方も等しくアイシェード(目隠し)を着けます。
なぜ全盲の方もアイシェードを着けるのでしょうか?
それは、全盲の方にも身体能力が非常に高く勘の鋭い方や、動きが素早い方がいるからです。それは素晴らしいことですが、逆に「実は見えているのでは?」と疑惑を持たれ失格となるケースもあるからなんです。そういったトラブルを避けるために、全盲の方もアイシェード(目隠し)を着けるルールとなっています。
走塁ベース
全盲の方が走塁する場合、ランナーコーチが手をたたいて塁の位置を知らせます。また、プレイ中の衝突を回避するため、走塁ベースと守備用ベースを別にしています。
守備については、位置に関係なく全盲の方がボールをキャッチするとアウトになります。こういった特別ルールが、試合の流れを面白くします。
試合観戦にも特徴が
スポーツの試合観戦といえば、応援団にチアガールお客さんの歓声など、にぎやかで楽しいイメージがありますよね?
しかし、グランドソフトボールでは、静かに応援するのがマナーとなります。
それはなぜでしょうか?
プレイヤーは視覚に障がいがある方です。音を聞き分け集中してプレイすることになりますので、手拍子や大きな声は試合の妨げとなってしまうからなんです。
ですから、心の中で大歓声を上げて、手拍子や声かけは極力控えていただけるとうれしいです。
まとめ
何かが失われる、あるいは弱くなると他の感覚が研ぎ澄まされるということが、人の体には起こります。それってすごく不思議ですよね?視覚障がい者を例にあげると、見ることが難しい分、音をとらえる力が研ぎ澄まされるということがいえます。
グランドソフトボールは、まさに音の感覚を巧みに活かして楽しむスポーツです。
最初はおっかなびっくりの方もいます。しかし、練習を重ねていくごとに音を追う感覚が養われて、音でボールの位置をとらえキャッチしたり、スライディングだってやってしまう。見どころ満載のブラインドスポーツです。機会がありましたらぜひチェックしてみてくださいね。新しい世界が見えるかも!