プロも目指せる!?車椅子バスケットの魅力

プロも目指せる!?車椅子バスケットの魅力

ナイスシュー!仲間が嬉しそうに拍手する、車イスバスケットを始めたのは23歳の頃です。リングをめがけて力強く打っても届きません。健常者とは違い、座ってのシュートは高さが不利になり、腕と手首の力が必要です。車いすバスケットについての話をしましょう。

車椅子バスケとボール

車いすバスケットへの参加と自信

キュッキュッキュッ体育館を走り回るタイヤの音や、猛ダッシュして体中から吹き出る汗が練習後の身体をつたい、運動後の程よいだるさが心地よいです。バスケを始めたのは友人からの誘いがあり、メンバーを探しているので一緒にやらないか?の声かけでした。

 

その当時、卒業後の就職活動や車がなく自力で動けないこともあったので最初は断りました。送り迎えするからやろうよぉと彼が言ったので、決心して月一回の練習に参加することにしました。それからは日曜日の練習が待ち遠しくて、寝不足になるほど夢中になりました。

 

仲間が少しずつ増えていくたびにバスケットボールチームらしくなり、更に練習が楽しくなりました。バスケットを始めたことで自信と積極性ができ、仕事や通勤用の車購入相談も意欲的に検討することが出来る様になりました。

 

バスケットを始めたころはルール等というのはメチャクチャで審判員もいない状態で、対戦相手もいなくて5対5の試合もできないような遊び感覚の練習でした。車いすバスケットの審判員が沖縄にいなかったという事もあります。

 

本土では車いすバスケットボールが流行って審判員の講習もあり、沖縄はかりゆし大会(全国大会)をきっかけに審判員やルール講習をするようになりましたが、競技技術レベルは県外の選手と差がありました。

 

初めは戸惑った車椅子バスケボールのルール

車イスバスケットの基本的なルールは、通常のバスケットと多少違うところがあります。現在では世界で活躍する選手も多く、次のような基本ルールがあります。

 

1.ダブルドリブルがない

ダブルドリブルのルールがなく、ドリブルしてボールを持ったままドリブルを何度繰り返しても良いのですが、ボールを持った状態で車椅子をこげるのは2度迄です。3回以上こぐとトラベリングになります。ドリブル中やボールキープ中で転倒した場合は、相手ボールのスローインから始まります。

 

※ボールの繰り返しドリブルは認められますが、2回漕ぐと1回のドリブル繰り返しが認められます。

※フリースローやスリーポイントシュートで前輪(キャスター)がラインを越えても認められています。

※試合中に転倒した場合は自力で起き上がることができないと審判の判断で試合が中断され起き上がるのを助けます。ボールを持った状態の転倒は相手ボールになります。

 

2.障害の程度によってクラス分けがある

障害の度合いが選手によって異なるため公平性を期すために、選手の障がいに応じて1.0から4.5ポイントまで、0.5ずつに区切られた持ち点でクラス分けされています。

 

座位でのバランス保持が困難な人は1.0ポイント、両手を挙げて両方向に車椅子を傾けることができる人は4.5ポイントなど、コートに入る5人の合計ポイントは14点以内でなければいけません。

 

障がいのある選手が全員出場できるように設けられたもので、それぞれの選手の特長を理解してチーム構成や戦略を考える必要があります。

 

※状態によるクラス分けと持ち点 ⇒ クラス1(1.0-1.5)、クラス2(2.0-2.5)、クラス3(3.0-3.5)、クラス4(4.0-4.5) 

 

3.接触を避ける為の規則

車イスの接触に伴うファウル判定で急には止まれないため、どうしても接触が起こる場合があります。そのため規則として、ディフェンスは相手が方向転換する時間や距離を保って守る必要があり、急な割り込みはディフェンスファウルとなります。逆にオフェンスが接触するとオフェンスファウルになります。

 

以上のルールと規則以外は、ほぼ一般のバスケと変わらないと思います。

 

車椅子バスケット選手はスポンサーがいる

座って3点ライン位置からのシュートが入るとカッコイー!と思います。一般バスケットの選手でも難しいのに座ってピーンと突き上げて伸ばした腕と手首を跳ねる姿はかっこよくて何とも言えません。

 

私が憧れていた車イスバスケット選手の、素早い動きからくるりとターンした位置から、長い手を伸ばしてのシュートが目に焼き付いて思い出されます。長崎へ全国大会予選として行った時のことです。

 

あの姿が忘れられず、シュートがはずれた選手を見ると何かが違っているなぁと思う事がありました。現在は車イスバスケット選手や他の車いすスポーツ競技選手にスポンサーが付くなど、プロとしてスポーツ振興に活動している人もいます。

 

※プロと言う言語が適切な使い方になるのかは注意する必要があると思いますが、ドイツの車椅子バスケットチームバスケッツ・ハンブルク(BG)がプロチームと言われています。日本は選手をサポートする企業などがあり、スポーツ振興に力を入れています。

車椅子バスケ

体力の限界

悲しい話です。23歳頃に始めたバスケですが35・6歳になると若い選手が多くなって、体力的にもスピードが付いていけないという虚しさを感じるようになっていました。クラス分けの持ち点(3.5)が高い事もあり、同持ち点の若手選手の活躍とベテラン選手の起用で試合にでる機会が減ったことをきっかけに、車イスバスケットを辞める決心をしました。

 

まとめ

車いすバスケットは何と言っても、コートでのスピードと試合のかけ引きが魅力です。車いすに座ってのロングシュートは格好良さがあります。障がい者スポーツへの理解促進によりパラ(パラリンピック)スポーツとして車椅子バスケットが広まりました。健常者の競技とは違った障害者スポーツの魅力を見つけましょう。

 

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