身体に合うサイズが大切!フィットした車いすの重要性

身体に合うサイズが大切!フィットした車いすの重要性

「太ったかなぁ?」などの変化。これまでスムーズに乗れていた車いすに違和感があると、日常用はともかく競技用になると直ぐにわかります。体の一部として使用する車いすは、生活の中でなくてはならないものなので、身体にフィットしたものがよいです。身体に合ったサイズの大切さや重要性について見ていきましょう。

日常用と競技用の違い

見た目はどの車いすも同じように見えて、よく見ると形や仕様が異なります。実は日常用(一般)とスポーツ・競技用は構造が違い、激しい動きに対応できるようにフレームなどが固定化されています。

 

テニスやバスケットボール用はターンしやすいようにタイヤが「ハ」の字になって、後ろに転ばない様に転倒防止(小さい補助車輪リアキャスター)が付いています。陸上競技用は安定性を重視して、タイヤが平行形(少々キャンバーを付けてある)に装着されています。

 

スポーツ・競技用と個人専用の場合は、注文(オーダーメイド)で図面作りから始めます。競技用は安いものでも約30万円以上、必要なオプションを付けると約60万円はします。日常用(約20万円)両方に補助や助成金(市町村の補装具費支給制度)を利用して購入できる場合もありますが、個人負担金が掛かります。

 

一般的な車いすと特徴

車いすの特徴は機能に合わせて主に次があります。

 

〇自走式車いす

駆動輪にハンドリムが取り付けられていますので、自力で漕ぎ移動することができます。介助操作ができるよう後ろにグリップを付けることもできて、主に病院や公共施設・スーパーなどに用意されていることが多いです。

 

〇介助式車いす(介助専用)

形は自走式に似ていてハンドリムが付いていませんので、自力で動かすことができないため介助者が操作します。

 

〇リクライニング・ティルト式車いす

座る姿勢を保つことが困難な人は、背もたれが傾くリクライニング式や座席共に傾くティルト式があり介助用車いすに多くついている機能です。

 

〇スタンドアップ式車いす

立っているような姿勢が必要なときに座席と背もたれが起き上がりを補助するタイプですが、通常は一般の車いすとしても使用することができます。

 

〇電動式車いす

ジョイスティックやリモコンなどによって、手元で操作する電動モーターを使う車輪駆動の車いすで、利用者がジョイスティックやリモコンなどによって手元で操作します。この他に特別仕様でスクーターのようなタイプもあります。

 

車いすが身体サイズに合うことの重要性

身体に合わない車いすは、乗り心地が悪く不快感が生じます。どんなに気に入った車いすでも重要なのは身体のサイズと適合するかという点で、サイズに合わなければ利用価値はなく身体への負担や事故に繋がります。

 

身体サイズは必ず測る必要がある

車いすは基本となるサイズを必ず測って、乗り心地や安全性などを確認して使用します。

 

≪おしりの幅と座面幅≫

座面幅は、車いすに座る際の座面の幅を指し、おしりの幅を測って最適な座面幅にします。

 

〇車いすの座面幅の目安

介助式車いすは利用者の両手がお尻と側板の間に入る程度余裕の座面幅を持つ必要があり、目安としておしりの幅より3・5cm足して、おしりと側板の間に両手を入れる余裕を作るためです。

 

自走式車いすの場合は座面幅が広いとハンドリムを漕ぎにくくなり、逆に狭くなると側板で足が圧迫されてしまいます。目安としてはおしりの幅より3・5cm程広い座面幅の車いすにすると良いです。

 

≪前座高と膝下からかかとまでの長さ≫

車いすの前座高は床面から座面前端までの高さを指します。最適な前座高は膝下から、かかとまでの長さを測って選ぶようにします。前座高が高いと座面奥まで座ることができない事や低すぎると立ち上がりにくくなります。

 

〇通常使用での前座高目安

一般的な車いす利用者は膝下から、かかとまでの長さに5・8cmを足した寸法が良いのですが、足を床につけるなどの「足こぎ」で使う場合の前座高は低めがよいです。

 

※専用クッションを使用する場合は上記の寸法からクッションの厚みを差引きます。

 

≪車いすの耐荷重と体重の重さ≫

車いすは何kgまで耐えられるかを示した値が耐荷重を超えると、車いすの破損や故障の原因になります。

 

〇一般的な車いすの重さ

一般的な車いすは耐荷重を100kgとして設定しています。持ち運び重視の軽量でコンパクトな車いすは耐荷重設定が100kg以下の物とありますが、体重100kg以下であるかの確認は必要です。

 

まとめ

車いすは用途によりサイズを重要視する個人専用の車いすやスポーツ競技用の注文(オーダーメイド)があり、一般的に使用する車いすも目的に合うことの基本サイズが重要になります。車いす仕様一覧に座面幅・前座高・耐荷重の各部寸法が記載されていますので、適正な車いすの身体サイズを把握して安全で快適に使用することが大切です。

 

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