障害者にとって車を運転する事は、介助者の手を借りることなくことなく自らの力で、外出し買い物や行政機関への手続きなどに行く事ができるようになります。健康な方からすると「足が動かないのにどうやって?」あるいは「片麻痺で車の運転?」と疑問に感じる部分もあると思います。そこで今回は、運転免許条件について紹介します。
運転免許の条件
新規で運転免許を取得する場合に、車を運転する本人に必要な、メガネやコンタクトレンズ・手動運転装置・左アクセルというような運転時に必要とされるものを、運転免許証に記載することで、免許を取得後その条件であれば、自動車の運転を行っても良い。という意味になります。
条件に合わせた実地教習
自動車学校へ通い免許を取得するまでに、受けなければならない学科教習や実地教習は、健康な方と大きな変わりはないのですが、使用するクルマに工夫がほどこされています。
例えば、車椅子ユーザーの方であれば、麻痺の影響で足が動かないのであれば、通常アクセル・ブレーキ操作を足で行う動作を手動装置という機械を取り付けることで、出だけで操作ができるようになります。
手動運転装置は、アクセルとブレーキが連動して動く仕組みです。前後にレバーを動かすことで、前進・停止をすることができます。この時に免許に付けられる条件としては、アクセル・ブレーキは手動運転装置に限るという条件が記載されえます。
片麻痺や義足などの場合
病気で倒れ半身麻痺になった方・交通事故などが原因で、身体の一部を欠損し義手や義足の方の場合にも、程度によって条件が付きます。例えば、右足に義足を付けている方は、アクセルペダルが踏めないという事があります。
そんな時は、左足でアクセルペダルも操作できる様に、左アクセルと記載されます。
しかし、個々の障害の程度がそれぞれ異なるため、必ず運転時に条件が付くとはかぎりません。身体に障害があっても、リハビリや練習をする事で運転操作が危険に及ばないと判断された時には条件が付かないという方もいます。
聴覚障害は補聴器が条件
最近では、聴覚に障害のある方も、普通自動車や二輪・バスといった免許が取れるようにもなりました。補聴器をしている方の適性検査は、クルマのクラクションを押した時に聞こえるかどうかというのを確認するほか、大型免許になってくる場合は、それにプラスして深視覚なども確認していきます。
クルマの大きさも記載される
身体障害者の運転免許の条件には、項目で紹介してきた条件の他に、自動車の大きさなども決められている事もあります。
特に車椅子で生活している方に多く見られ、自動車であっても、軽自動車からコンパクトカーまでなら、運転可能と限定される方もいれば、AT車であれば2トン車までなら運転可能。とそれぞれに条件があります。
条件をなくしたい時は
クルマの運転に慣れてくると、条件を解除したい方もいるでしょう。その様な時は運転免許センターへ行き、本当に解除しても大丈夫かどうか改めて相談をすると共に再び適性検査を受けます。なくても大丈夫と判断された時に、そこで初めて条件解除になります。
終わりに
クルマの運転免許に条件が付くという事は、決して悪いことではありません。障害があっても、免許を取得する上でクルマを運転する時に必要な条件です。運転免許センターで、これなら大丈夫と太鼓判を押して頂けることは喜びを感じます。
クルマ社会では、健常者の方に交じって過ごせるのですから、これから免許を取得する方も、運転歴の長い方も引きこもりを選ぶのではなく、たくさん外へ出て行って欲しいと思います。