特別支援学校で出会ったアーチェリー部

特別支援学校で出会ったアーチェリー部

アーチェリー

地域の学校では、小・中・高と学年を終えるごとに「クラブ活動」という呼び方から「部活」という呼び方に変化していきますし、進学した学校によっても種目が増えていきます。

実は、県内の特別支援学校にも1校のみではありますが、たった一つだけアーチェリー部がありました。今回は、学生時代に出会ったアーチェリー部の紹介です。

アーチェリーを知るきっかけ

現在は、オリンピックなどの種目にもなっているアーチェリー。私が初めて知ったのは、特別支援学校に転校してからのことでした。当時はまだ遊びたい盛りの10歳(5年生)です。

地域の学校は、障害を理由に体育の時間は全て見学で、クラブ活動では座って出来るものはほとんど限られ、参加したとしても「楽しい」と心から思えるものはありませんでした。

 

しかし、学校に移った事によって、車椅子を使って思いっきり体を動かすことが出来る事の楽しさを知りました。そこで私が活発に動く姿をみていた男性の先生から「将来、アーチェリー部だね。ここにしかない部活なのだけれど、見学にこないかい?」というお誘いの言葉が知るきっかけとなりました。

最年少でマネージャー⁉

どの競技でもそうだと思いますが、スポーツには選手とマネージャーがいます。水分補給をする準備や部活の道具運び・破損している部分はないかなどのチェック・時間を計るなどのサポートをしますが、小学生のうちから経験させ、本来であれば入部手続きも必要とするものですが、マネージャーの役割を先に経験しました。

 

特別支援学校での正式な部活の入部は、高校性になってからだったので、その時期が来るまでは、地道に先輩のサポートを行いながら高校生になると同時に入部手続きをし、そこから大会へ向けての練習がスタートしていきました。

初めは苦戦した

通常アーチェリーの道具を組み立てるのは、立位で行うためケースから出しハンドルと呼ばれる部分(握り部)の上下に、リムという部分を上下ネジで締めて取り付けます。(強いしなりの働きによって矢を飛ばすという事が可能です。)次に、ストリングと呼ばれる矢を遠くまで飛ばす時に必要なエネルギーを伝える言わば「弦」を取り付けるのですが、通常であれば足/で抑え、リムを垂直に落ち上げるという方法で取り付けを行います。

 

しかし、車椅子の私にとっては足で抑える事ができない代わりに、膝で抑えて上に持ち上げるという事で道具を組み立てていました。

新人戦

部活を始めて間もなく、新人戦の話が出た時がありました。当時の私は、矢が的に当たった時の音が楽しく、毎日無我夢中になって部活に励んでいた記憶がありますが「早いと思うけれど、経験をしてみるのも良い」という事で、新人戦に向け練習を積み重ねる毎日でした。

 

試合では、身体の方だけでなく健常者の方も一緒も交えて行われ、1分〜2分管の間に3本の矢を放ち総合得点で競い合うので、多少の緊張はしたものの風向きや風力の強さを読み取りつつ的を狙っていたので、総合得点は200点余りで結果は優勝でした。

 

不思議と「優勝」という結果を残せて嬉しいというより一つの試合が終わったから、次は何を目指そうかな。と肝が座っているようでした。(顧問の先生は、大喜びでした)

部活で学んだこと

部活動はただ身体を鍛えるだけでなく、先輩・後輩とのコミュニケーションを図る上で必要な能力を身につける事ができます。職場に例えると上司と部下、あるいは勤続年数が長いか、短いかによっても、変化はしますし、年上・年下でも違ってきますし、個々の考えによって変わると思います。

おわり

部活は、地域の学校にしかないと考える方も多いと思いますが、肢体不自由の生徒を対象とした特別支援学校では、部活があるという場合もあります。ただ、身体が不自由なだけで、配慮が必要なだけ。と考えを変えてみると、障害があってもできる事は、たくさんあると思います。

 

一度で良いので、辞めてみませんか。障害があるからできない。という事を!

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