病気などが原因で障害者になった。あるいは生まれつきの障害で、常に誰かの介助が必要なため、施設に入所していたけれどそこから抜け出し、地域で生活したい。と考える方は多く、生活訓練を中心に頑張っているという方もいるはずです。そこで、今回は初めて聞いたという方を対象に、生活訓練ついて紹介します。
生活訓練とは
障害を持った方が、地域社会の中で自らの力で日常生活を送るために、必要な能力の維持・向上を図る上で、様々な場面を通して訓練を行います。なお、生活訓練は、障害を持つ方に対しての支援となり、就労支援と同じく「福祉サービス」の一つです。
居場所で見て感じた
生活訓練というサービスがあるのを知る事ができたのは「居場所として自由に出入りして構わない」と話があった時のことでした。当時は、まだ就職活動中で、面接を受けては不採用が続いていました。
親からも金銭面で求められる事が多く毎日のようにケンカし、居場所として関係機関を通して相談し、通うことができたのが生活訓練を行っている事業所でした。利用者さんは決められた時間に来所し、帰宅するという毎日でした。
作業が可能な利用者さんは、自身の持ち場へ行きお昼休憩まで作業に取り組み、職員の付き添いがなければ、移動を含め難しいという方については、別のプログラムの中で活動をしていました。
生活能力を身につける
普段、私達は服の着替え・食事・排せつを含めた活動を、自らの力で行うことが可能です。しかし、重度の障害を持つ方は、難しいという方がほとんどです。そのため、汗をかいたら服を着替える。お手洗いに行きたくなったら知らせる。という基本的なことからトレーニングをしている方もいました。
また、言葉が出ない利用者に対しては、絵カードなどを用いて意識を伝える練習や買い物へ行った時に必要なお金を勉強し、実際に施設外へ出て買い物をするという様な実践的トレーニングを行っていました。
好きなこと・嫌いなことを見つける
一人ひとり得意なこと・不得意なことがある様に、重度障害の方も好き・嫌いがあります。
施設から出て、兄弟姉妹と暮らす場合もヘルパーさんの力を借りて生活をするといった時でも、意思をはっきり伝えなければ、ストレスを感じてしまいます。
そこで生活訓練を行う事業所によっては、本人が好きな事嫌いな事を一緒に探していきながら「好き」「嫌い」という気持ちを伝える練習を含め、コミュニケーションに必要な能力を高めていきます。
障害があるからこそ
知的障害のある方だけでなく、精神や身体の方々も、障害というものを抱えているからこそ、時として「社会生活のやりづらさ」というのを健康な方よりも、強く感じる事があります。
よって生活訓練では、レクリエーションやカラオケ大会などをプログラムに取り入れ、地域社会で親睦を深め、安心して生活ができるようにイベントなどを定期的に行っている事業所などもあります。
おわり
生活訓練は障害のある方達にとって、自信を持ち日常生活・社会生活をおくるために必要不可欠なものです。障害の特性にあったプログラムを受ける事で、自信が付き一人暮らしやヘルパーさんの力を借りる事で、理想とする生活を手に入れる事ができるのではないでしょうか。