身体障害のある方の多くは外科的治療を受けるワケ

身体障害のある方の多くは外科的治療を受けるワケ

手術

病気をわずらった。交通事故にあった場合、その多くは外科的治療を行います。そして、回復期になるとリハビリをし、1日でも早く自宅に帰ることができるよう努めるというのが、毎日のように行われています。今回の記事は、障害者の方を対象にした外科的治療について紹介します。

外科的治療とは

身体にメスを入れ切開し、病気の原因になっている部分を取り除くというイメージがあると思います。しかし、先天性の障害でも、必要に応じて手術を行うことがあります。特に、身体障害があり外科的治療が必要と判断した場合に、骨切りやアキレス腱延長術といった手術をします。

朝が早い、オーニング・カンファレンス

院長先生は杖歩行を可能とする子供達を対象に、外科的治療を受けさせたい。という想いから、毎月医療機関の先生に申し出て、訓練士・本人・家族を前にカンファレンス会議をやっていた。と耳にした事がありました。

 

朝早く参加する事になったモーニング・カンファレンスでは、約1時間半かけて1つ1つ障害の状況を念入りに確認しどの様な治療が必要なのかを話し合っていた記憶があります。(当時9歳)でした。親や訓練士は緊張していたと思いますが、小学生の私自身は「白い服を着た男の人がたくさんいる前で何をするの」という感じで、平然と座っていました。

突然の電話に

特別支援学校のクラスメイトや後輩・先輩は外科的治療を受けた事のある経験者で、術後の跡が残っているのもよく目にしてはいました。身体障害の外科的治療というのは順番待ちで受けるので、手術日の予定などは病院からの連絡待ちでした。

 

当時は6年間の節目でもある卒業式を控えている中で、入院の連絡が来たのを記憶にしていますが、心の準備が出来てもいない状態で病院へと向かいました。しかし、すぐには手術を行うという訳でもなかったので「卒業式に参加したい」とねだり外出許可を頂いて学校へ向かいしました。

手術前日は必ず食べた

ポテトチップス

私の体験した外科的治療は、半年間の間という時間をかけて、3度に分け手術をしました。

自力歩行ができないというのもあったのですが、先天性の多くは足のつま先が内側に入るというのがあったので、骨の付け根部分を切り元の位置に戻すという治療です。

 

骨折や病気などで、入院し手術を受けた事のある方であればご存じだとおもいますが、全身麻酔を使用する場合、人工呼吸器を用いて治療を行うので体に食べた物や飲んだものなどが、気管挿管をすることによって逆流し肺などに入るのを防止し、安全に麻酔ができるよう絶飲食をします。

 

当時は子どもながら、手術前日になるとギリギリの時間まで好きな物をたべ、必ずと言っていいほどポテトチップスを一袋食べて、絶飲食に挑んでいたのを記憶しています。

外科的治療の開始

結構、大きい手術で両足を一度に行うという話は、親が聞いていたと話していました。しかし、私自身は何も聞いていなく只々、麻酔が切れて起こる強い痛みに大泣きする毎日でした。(最終的にはベッドごと廊下に追い出されました)

 

普通に考えると、もともとくっついている骨を一旦切り離す。と耳にするだけで鳥肌が立つ・痛そうなどなど、想像がつかない治療法ではありますが、切って正しい位置に付けワイヤーで固定することで、正しい位置に戻すという方法でした。

アキレス腱や筋肉のこわばり

「1人で何度も手術室に入るの?」と聞かれた事がありました。正直、入りたくて行くという訳でもありませんでしたが、2度目の手術は、アキレス腱延長術というものでした。解りやすく言えば、元々、短いアキレス腱や下腿三頭筋(ふくろはぎ)・ヒラメ筋などを延ばすという治療です。

 

健康な方であれば、活動をしている間は筋肉が上手く伸縮するのですが、身体に障害がある方はマヒしているため上手く機能せず、動きに制限が掛かり延びないという情況が起こります。

 

そのため開脚ができないので、それを改善するために、緊張している部分・短くなっている部分に適切な治療をし、足の付け根からつま先までギブスをはめ、麻酔が効いている間にある程度足を開脚させ固定し、病室へ戻るという状態でした。

開脚の幅が広がる

入院中は、とにかく痛みとの戦いでした。けれども、主治医の先生や看護師・リハビリテーションの先生は、常に一緒になって向き合い朝の病棟内の回診では、術後の経過観察を行いながら、短くなった筋肉を伸ばし緊張を取り除く必要が継続的に必要だったので、毎日の様に、開脚ができる幅を広げていきました。

 

その度に痛みが出る事はありましたが、整形の先生方は対処方法を知っていたので、ちょっとずらしては力が抜けるのを待ち、また動かすという方法で目標とする位置まで、動かしていました。

痛みが引くと

人は皆そうだとおもいますが、痛い時は眠りが浅い場合や眠れないといった事があります。

しかし、痛みが引くと熟睡することができ、側に人が近づいても起きません。私自身もそうだったので、朝に医師が回っていて処置や開脚の位置を変更しても、起きることなく気づいた時には変わっていた。ということが多かったです。

 

寝ていることで力が抜けてもいたので、無理に起こすということはなく、寝ている状態のまま済ませたという話しも聞いたことがありました。

治療を受けて現在がある

外科的治療を受けて、辛くなかったと言えば嘘になりますが、現在、杖で歩けているのもクルマを福祉車両にせず、健康な方達と同じように運転操作ができているのも、学生の時に受けた治療のお陰だと考えています。

 

あれから22年余り経過し「徐々に手術前の状態に戻りつつある」というのは言われていますが「1度の外科的治療で、ここまで持つとは凄い」とも言われています。年齢とともに、体力や体形などが変化していくのは確かだと思います。

 

けれども、今の状態を維持できることもリハビリを続けていて、聞いた話であっても向き合えているからこそのことだと思います。

終わり

今回の外科的治療は、あくまでも私自身が経験した内容になりますが、心臓手術なども外科的治療の分野になります。障害となる部分によって治療方法なども変わってくると思いますが、治療することによって、痛みが改善される又は動きが良くなるのであれば、受けてよかったと実感する日は必ず来ると考えます。

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