車椅子専用駐車場のスペースが広いワケ

車椅子専用駐車場のスペースが広いワケ

公共施設などの駐車場を見渡して見ると、白くペイントされた車いす専用スペースやハートフルスペースといった箇所を見かけることがあると思います。この記事では、そういった車いす専用スペースとされる場所の広さとパーキングパーミット制度についてご紹介します。

車いすマークの意味について

普段から目にしている車いすマークですが、これは障害を持った方が安心して利用できる施設であることを、分かりやすくするための世界共通シンボルマークです。国際リハビリテーション協会が採択しています。

 

専用スペースが広い理由

一般の駐車場と、車いすマークのある専用駐車場では広さが違います。なぜ普通の駐車場に比べて広いのかご存知でしょうか。クルマから降りる際に、車いすを置くスペースが必要であり、ドアを全開しなければ降りることが難しい。というのが挙げられます。

 

その場所を利用する多くは、車いすユーザーであり自身で車の運転をする方です。ドライブが好きな方もたくさんいると思います。私自身もそうなのですが、特に車いすユーザーにとって運転席から10キロ余りの重たい車いすをクルマから、積み下ろしをするのは大変なことです。

 

初めて見る方にとっては「この人何をしているのだろう。」「大丈夫かな。」と思うはず・・・(私は、これを独り柔道と呼んでいます)

 

持ち上げて降ろす時や引っ張り上げ後部座席へ載せる時に、運転席のドアを全開にする必要があります。つまり必ずしも、運転をしている方が介助者とは限りません。

 

過去に一度、専用スペースが確保されていない薬局の駐車場で、車いすを運転席から降ろした時があったのですが、側に駐車していた車の持ち主から「俺の愛車に傷が付くから、側に停めないで!」と心ない言葉を言われたこともあります。正直、そういうなら「ただ見ているのであれば、手伝って!」とお願いをしたい気持ちもありました。

 

事故にあって分かった!

外出先で、よく事故にあった年がありました。確か免許を取得した時期だったと思います。

イベントへ出掛けた時のこと。会場へ到着し、駐車場へ入り車いすを下ろしていた時、なにかが当たるような音とほぼ同時に、クルマが揺れました。最初は、地震でも起きた!思っていました。

 

しばらく経って「怪我ない?」という言葉に、クルマが揺れたのは「地震」ではなく「当てられた時の事故の衝撃」だったことに気が付きました。確認をすると、他のクルマがバックで真っすぐにぶつかっていました。「なぜ、クラクションを鳴らさなかったの。」と聞かれましたが、鳴らせるわけがないです。(運転席の椅子を倒して、車いすを下ろしているのだから)

 

それに、駐車を開始する運転手の方からも、車いすの存在に気がつかなかったのかもしれません。先に車いすを下ろしていたとしても、運転をする方からは110センチほどの高さは見えないので危ないです。しかし、会場に専用スペースが確保されていたら、事故は起こらなかったと考えると、専用駐車場を積極的に利用しようと思いました。

 

幅はどれくらい

一般の駐車場は最低でも2.5メートルです。コンビニなどへ行くと2本線になっており、およそ3メートル。それに対し、車いす専用スペースの幅は3.5メートル以上けられています。

 

冒頭でも紹介しましたが「車いすを下ろすには、ドアを全開しないといけない」という理由から、他の車にドアが接触しないために必要な幅になります。また、車いすを下ろして後に

シートから乗り移ることや帰る際にクルマへの乗り込む際には、健康な方に比べて時間が掛かってしまうので、駐車場の幅を大きくすることで安全に乗り降りすることができます。

 

青色のペイントの役割

専用スペースのみブルーのペイントがされている場合がほとんどです。このペイントにもしっかりと意味があります。天気がいい日のアスファルトは高温になりやすく、とくに真夏は湯気が立ち込めるくらいまで熱くなります。

 

そこで常に地面との距離が近い車いす使用者やベビーカーに乗っている赤ちゃんが、直接受ける暑さを和らげられるように、特殊な素材が使われています。

 

その特殊な素材の青色が塗られていることで、車のドアを開けた時に受ける下からの熱が少なく、車いすの上げ下ろしに多少の時間が掛かっても、直接暑さを感じることは少なくなっています。そのような素材が使われていることで、車いすユーザーや赤ちゃんへの影響を軽減しています。

 

パーキングパーミット制度の導入

全国の大型商業施設や公共施設などにおいて、パーキング・パーミットが徐々に広がりつつあります。それまで通常の身体障害者専用駐車スペースは、妊婦やお年寄り・障害のある方を対象としていて、どなたでも自由に駐車できる。というメリットがありました。

 

パーキング・パーミットでは、適切な利用を図るという目的があるため、区域内の駐車場では「利用許可証」がなければ、停める事ができず、車いすユーザーであっても許可証を提示する必要があり、提示がないと移動を求められる事がありますので、注意しましょう。

 

全ての車椅子専用駐車場に制限がある訳ではありませんが、パーキング・パーミットに停める際には、サービスカウンターで手続きの必要があります。まだ、許可証をお持ちでない場合に駐車したいという時など、常駐警備の方に説明をすることで、一時的に駐車することができます。

 

ただし、許可証を発行するのが条件となりますので、今回の移動については除外されても、次回の駐車も可能というわけではありません。発行期間については即日発行になります。

 

手続きに必要な書類

 

・自動車の車検証

・障害者手帳

・運転免許証

 

が必要です。

 

手続きの際は、車両番号を記入しているので、許可証が使えるのは、手続きで登録したナンバーのクルマに限ります。車検や修理で代車を使用している場合、介助者の車で来店をする場合などは、パーミット以外の駐車場へ駐車することになります。

まとめ

車いす専用駐車場は、最近からあるものではありません。しかし、年数が経つにつれ車いすユーザーだけではなく、お年寄りやお腹の大きい妊婦さんまで幅広く利用しやすくなっています。

 

また、大型商業施設や医療機関においてこれまでになかった常駐警備の配置のより、手を貸して欲しい時などがあれば、すぐに声をかけて助けをお願いすることができます。少しずつではありますが、車いす専用駐車場の利用についても、理解されつつあります。車いすユーザーの皆さん。たくさん外の世界へ出ていきましょう。外は本当に楽しいですよ。

 

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