健康な方は何でも出来る。空を飛ぶ様な常識を超えたこと以外には!ちょっと飛躍し過ぎましたが、健常者でもじぶんの能力ではできない無理なことは工夫すると思います。障害のある方はできることに限界がありますが、可能な限りの努力や工夫は大事だと思います。
障害がある方の限界とは
障害の有無にかかわらず誰もが、できることに限界はあるはずです。障害がある方の限界と書くと身体的なハンディーなど特に、上・下肢体不自由の方を思いますが、限界(限度)はすべての障害のある方にあります。
障害別考え方
障害を表す標識やマークが車いす利用者であることから、障害と言うイメージは障害=身体障害と連想され他の障害とは違って、見た目でわかりやすいということも大きな理由だと思います。身体障害の種類や症状による障害の等級や手帳の級での違いもあります。
令和3年厚生労働省の統計によると日本の障害者数は約936万人で、うち身体障害者は436万人となっています。一般的な身体障害者のイメージとなる肢体不自由(手足が不自由な人)が、436万人中200万人弱となり、あとはその他の種別となっています。
障害の捉え方
日本の医療や福祉で障害の有無にかかわる共生社会実現の理念を掲げています。障害の捉え方は医学的な捉え方と社会的な捉え方という考え方があり、企業の障がい者雇用への考え方にも影響します。
【障害を医学的に捉える場合】
障害は個人の心身機能(足に障害がある場合)が原因であるという考え方によると次の考え方があります。
〇階段を上れない
〇建物を利用しづらい
〇坂道の上り下り困難
困難を解消するためには、医療や福祉の問題とじぶんで補助器具を利用してリハビリを頑張り、努力や工夫でカバーすると捉えるものです。
【障害を社会的に捉える場合】
障害のない人を前提に作られた社会の仕組みが、原因(足に障害がある場合)であるという考え方です。
〇階段をのぼれない
エレベーター、スロープなどがあれば階段という段差を上ることが出来ます。 ⇒ 階段の多い社会が原因であるという捉え方になります。
〇建物を利用しづらい
通路幅を広くすることなどで、利用が容易になることもあります。 ⇒ 通路幅に配慮していない社会に原因があるという捉え方です。
〇坂道の上り下りが困難
坂道の上り下りの負担は、角度を緩やかにすることで軽減されることがあります。 ⇒ 障害のある人(足の障害)に使いづらい社会が原因の捉え方です。
障害が問題ではなく、社会状況の障壁により障害が何らかの社会活動に難しいと言う原因があることです。それらの障壁を、社会全体で解決していくべきであると言う捉え方です。
障害がある方の困難と工夫
障害がある方の困難は、その方(当事者)にしか分からないことや生活での工夫があり、生活を快適にしようと工夫を凝らしています。車椅子(肢体不自由)である私のような方には、ある程度共感できることもあると思いますが、他の障害については調べたものを参考にしています。
【車椅子(肢体不自由)の場合】
〇交通機関の不便 ⇒ 電車やバスの乗降り
〇ちょっとした段差 ⇒ 街中の通路段差や階段
〇障害者用の駐車場 ⇒ 専用の駐車場が無い・スペースが狭い
〇高い位置の不便⇒ 買物棚やエレベーター
〇トイレの設置状況での不便 ⇒ 車椅子専用のトイレが少ない
解決の工夫としては、個人的な主張と社会への呼びかけと理解を求めることにあります。
【片麻痺の場合】
〇食事での不便 ⇒ 利き腕の違いや飲込みでの注意が必要(嚥下障害による誤嚥)
〇入浴 ⇒ 浴槽の出入りバランスや転倒・溺水の可能性
〇排泄 ⇒ 利き腕での下衣着脱制限や立位バランス・方向転換時の転倒可能性
〇外出 ⇒ 杖や車椅子移動の為ゆっくり歩行・長距離移動困難
個人的な注意や努力と介助の必要性によっては工夫が必要となります。
【視覚障害の場合】
〇行動の制限 ⇒ 障害物などがあることで移動に困る
〇交通機関の困難 ⇒ 電車の切符購入や行先表示
〇目から得る情報の不足 ⇒ 見ることで得られる知識や情報が少ない
〇視覚的模倣の脱落 ⇒ 点字がないことでの学習や教養に遅れが出る
〇視覚障害に対する社会の姿勢 ⇒ 養育への消極さが幼児期の発達に影響
個人の生活への工夫と社会の視覚障害に対する配慮と理解が必要です。
【聴覚障害の場合】
〇情報伝達の難しさと誤解 ⇒ 聞こえないことでの情報入手不足や外見上障害が分かりにくいため誤解が生じる
〇電話応対ができない ⇒ 緊急時に連絡が厳しい
〇医療機関での伝達 ⇒ 医療スタッフとのコミュニケーションが取りにくい
〇交通機関の不便 ⇒ 電車やバスでの遅延アナウンスが聞こえないことや、道路を走行中で車のクラクションが聞こえないと事故に遭う危険性が高い
個人的な情報入手の工夫や誤解が起こることのないように、ファックスやメモ書きによる伝達が必要です。
【内部障害の場合】
〇外見からは障害がわからな ⇒ 見えない疾患のため、優先席や障害者用駐車場など、利用に周囲の視線が厳しい
〇病状悪化の可能性が高い ⇒ 風邪や感染症にかかりやすく、病状悪化(合併症)を引き起こしやすい
〇食べものに制限 ⇒ 継続的な通院治療の人工透析や慢性疾患を伴っているため、食事などに気を付ける必要がある
外見から通院治療の理解と疾病や合併症にかからないための努力や工夫が必要です。
まとめ
日常生活では障害のあるなしに関わらず工夫を凝らしています。紹介したように障害のある方は当事者にしかわからない困りごとがたくさんあり、できる限りの努力と工夫をしていますが、個人の力だけでは解決できないことで医療の力や社会の理解が必要です。