私が子供の時に比べると、現在の公共施設やショッピングモールには、車椅子を利用する方でも安心して利用ができるよう駐車場から、店内に入るまでの間にスロープが設置されている場所が多くなりました。今回の記事は、体験したエピソードを加えつつ、スロープの角度について紹介します。
スロープとは
一定の人だけが通れるという縛りはなく、自転車に乗っている方や車椅子を利用している方や赤ちゃんを乗せたベビーカー・荷台まで、たくさんの方が安全に通れる傾斜のある通路のことを言います。
傾斜があればいい?
1人で遊びに行った時、時としてせっかく来たけれど引き返して帰るという場合があります。行ってみたいと思っていたお店には、確かに車いすでも通れる通路スロープがありました。けれど、車いすのキャスターを上げた瞬間「無理だ」ということが分かりました。
実は、車いすにとって上りができ下る事も可能という意味は、かなり難しい部分があります。もっと分りやすく言えば「杖を突いた方が問題なく通れるから、車椅子も通れる」と言った意味の勘違いと説明した方が良いですね。
特に、普通型の車椅子(自走式)は車椅子の重さに本人の体重を合わせた重さが重なります。介助者が側にいない時は、ご自身の腕の力だけで車椅子をこぎ上まで行かなくてはいけません。
傾斜は上に近くなるほど大きくなり、そのぶん後ろに流れようとする重力がかります。介助が一緒の時に比べ、自身の腕力だけで上るのは難しいという事もあります。無理に進むと後ろに倒れる可能性もありますので、注意が必要です。
安全に上るために
スロープには安全に上る為の基本角度というのがあります。電動や手動はもちろんですが、付き添いの方も、ラクに押せて進む事ができる傾斜角は10度です。段差は地上から30センチとなります。また、段差に応じてスロープに必要な長さの目安というのもあります。
簡易型の場合は?
自宅の中でも車いすを使用する方がいます。特に高齢者の方はホームからの一時帰宅やデイサービスに通う日は、身支度を整え送迎バスが迎えに来るまで待ち、折りたたみのできるスロープを使い出入りをしているという方もいます。
本来であれば改装を行い負担もなく動けた方が良いですが、現状ではそう上手く行かない時もあります。介護保険を利用しスロープをレンタルで借り、外と中の出入りする方もいれば直接購入して使用する方もいます。
簡易タイプは、床面積が広いタイプもあれば狭いタイプもあるので、どれが適しているかしっかりと検討をしましょう。それ以外にも、長さがどれくらいあれば上まで行けるのかなども、しっかりとメモを取るなどをして残していると、購入時に慌てなくても良いですね。
終わり
年々、街並みの姿も変わり、新しい建物が増えて歩道なども車いすで歩きやすくなって来ています。また、皆さんが来店できるようにと後付けでスロープを設置する店舗なども、見受けられ少しずつバリアフリー化が進んでいます。
ですが出先で見かけたスロープを使用する際は、急斜面と感じた時は無理に上がろうとせず、近くにいる方に手助けを求め後ろから押して安全な場所まで行くようにしましょう。