統合失調症になり8年が過ぎようとしています。私なりに、どのような時に症状が現れやすいか、その時家族にどう接してもらい回復へ向かったのかを体験を交えてお伝えしていこうと思います。障害のある家族をもつ方へのメッセージも込めて。参考になれば幸いです。
症状が出やすい時とは!?
統合失調症を発症したり再発された時は、ご家族も混乱したり動揺したりされる事もあるかと思います。しかし事前に症状が出やすい場面を知る事で、未然に防ぐことができるかもしれません。
私の体験を参考に次の3つの場面に直面したら是非、予防へと向けて行動して欲しいと思います。
①ストレスを溜めすぎる
統合失調症を発症したのは、仕事による働きすぎが原因でした。一番初めに変化が訪れたのは、眠れなくなってしまった事です。何日も何日も寝ないで勤務していたら、自分でも気づかないうちに会話がなりたたなくなっていて、ある日家族に「最近、変だよ」と言われて意識するようになりました。
家族の方は何か変だな。最近おかしいなと感じたら話し合いの場を持つ事が大切です。
②大きな環境の変化に弱い
私の病気が再発したのは、引越しと妊娠が重なった時です。私は大きな環境の変化に弱いです。環境に慣れよう慣れようと頑張ってはいますが、今思えば空回りしていました。
③服薬をきちんと行っていない
私の場合、発症して悪化しそのまま医療保護入院を1ヵ月行いました。退院した後は症状が落ち着いていたのですが、なかなか病気を受け入れる事も出来なかったので、服薬をサボる事もしばしば。。。その後は、情緒不安定でした。
どんな症状が出るの?
統合失調症の症状は人により波があります。ここでは私の経験したいくつかの症状をまとめてみました。
〇陽性症状
幻覚や幻聴・・・ほかの人には聞こえない、壁を大きく叩く音や知らない人の声がはっきりと聞こえます。症状が酷い入院時には幻覚を見てしまう事もありました。また本当でないことを信じてしまう妄想の症状もありました。
〇陰性症状
意欲の低下が著しく悪くなります。やる気の減退、引きこもったりお風呂に入る事が困難になります。
〇不安、抑うつ
気分の落ち込みが酷くなり、夜は全く眠れなくなりました。また、眠れたとしても脳が動いている感覚があり、しっかり休めない、体力が回復しないなどの症状があります。
〇認知機能障害
新しい情報を習得するのに時間がかかる、日常会話に集中できない、自分の考えを上手くまとめる事ができない等の症状が見られました。
その時家族にどう接してもらい回復へ向かったのか
病気を発症してからは、家族がたくさん助けてくれました。これから話す内容は、私が病気を発症した時と、その後の経過の普段の中で、家族が意識している私への接し方をまとめています。
①病院への付き添い
「何か最近、おかしいな」と感じて、父母が病院へと付き添ってくれました。もし、一人で病院に行っていたら、症状を上手く説明できていなかったと思います。家族が普段の様子を説明する事により、病名も発覚し、そのまま入院へと進み早く治療を受ける事ができました。
結婚してからは、可能な限り夫にも病院に付き添ってもらっています。特に、症状が悪い時には毎回、付き添ってもらっていました。一緒に同行してもらう事で、夫自身も病気に対する理解がさらに深まり、私も安心感を得ることができています。
②お薬の管理とダブルチェック
病気に対して受け入れることが出来ない時期は、服薬がおろそかな場面が多々ありました。また、単に飲み忘れの時もあります。そのような時に家族がしてくれた事は、一週間用のお薬ケースを用意してくれた事です。
しかし、それでも飲み忘れが続く時には、お薬ケースのダブルチェックをしてくれたり
「眠る前に飲むお薬は、もう飲んだ?」と声かけをしてもらっていました。
③タスクは一日3個まで
私はこの病気の症状で、感じ方や考え方、行動を上手くまとめる事を苦手としています。その改善をするために当初、私はキッチンに「一日のやる事リスト」を作って貼っていました。
しかし、たった一日でも育児や家事で、リストはすぐに10個近く埋まります。それを無理して全て行わなければいけない、と思っていました。オーバーワークの私をみて、夫からのアドバイスが「一日のタスクは3個まで!」とルールを決めてくれたのです。
それからは無理に予定を詰め込まなくなり、心に余裕を持つ事ができました。皆さんのご家族も、もしかしたら私と同じようにオーバーワークの癖があるかもしれません。そんな時は予定を積み込みすぎて倒れないように、「一日のタスクを3個まで」など工夫して手助けの声かけを行って欲しいと思います。
④疲れたらたくさん休ませる
この病気は脳の病気という事をご存じでしょうか。そのため、日頃から疲労しやすく、考え方や感じ方、行動を上手くまとめる事ができません。そんな時には、私は昼間でもたくさんお昼寝をして改善しています。
とにかく脳を休ませる事が大切です。家族も、お昼寝をよくする事に対して理解を示して欲しいと思います。
⑤話の聞き方、伝え方
自分の考えを上手くまとめる事ができない際にも、話を途中で遮らず話に耳を傾けてほしいと思います。また、一度にたくさんの事を言われると混乱する事もあるので、短く具体的に伝えると分かりやすいです。
病気のために出来ない事を「わがまま」や「甘え」と批判し、不満を本人にぶつけないように気を付けましょう。喧嘩するのではなく、これからを良くするための話合いの場として伝えていきましょう。
まとめ
今回は、統合失調症ママのトリセツ〜回復へ導く家族の方の接し方〜について見ていきました。家族の方は、環境の変化やストレスに弱い事を理解して、配慮した対応を心がけて頂きたいです。これからも温かく見守って欲しいと思います。