日常生活を送る上で、他の方とコミュニケーションを取れるという事が重要になってきます。しかし、発達障害のある方や精神障害の方は、それを苦手とするために、ささいな事で意見の食い違いや言葉の受け取り方によりトラブルになってしまう事があります。
今回の記事では(SST)について紹介します。
SSTのとは
SSTという言葉を耳にしたことのある方や初めて聞いた方もいるかと思います。冒頭でも触れていますが、SSTを日本語で訳すると「生活技能訓練」または「7社会生活技能訓練」などと呼ばれています。主に対人関係や仲間と交わすコミュニケーションの取り方を学ぶことができ、会社や学校などでも、役立つスキルを身につける事が可能な訓練の1つです。
福祉事業所で出会うSST
私がSST に出会ったのは、まだ福祉作業所と呼ばれていた時の頃でした。身体障害のある方達が通う通所型作業所と、精神障害の方達が無理なく通い、余暇活動や軽作業が行える作業所等が一つの建物にありました。
精神の方が通う場所は、毎日の様に開所するという訳でもなかったのですが、利用者の皆さんが集まった時には、時間を調整してSSTという訓練を身体障害のある方も交えて、交流をしながら行っていました。
最初は照れくさい
どんな事にも言えると思いますが、トレーニングを積み重ねていく事で、これまで苦手としていた動作が、意識せずにできる様になって行くように、ソーシャルスキルにおいても、1人ではなく、利用者全員と職員が参加のもと訓練を行います。
私が作業所で参加したプログラムは、挨拶を中心とする内容でしたが自ら大きな声を出して「おはようございます」や「こんにちは」と言葉に出し伝えるという事が、とても照れ臭く感じる方もいました。
ロールプレイングで実演してみる
本人が困る時の情況を設定し、参加者の方が演じることでそれに対する適切な受け答えなどを学習して行く方法です。
金銭面においての貸し借りや喫煙者の多くは、タバコを切らせてしまい、「1本だけちょうだい。」という出来事から、場合によっては喧嘩などに発展して行くケースが多いので「上手く断る」という方法が重要になってきます。
このような出来事は、必ずしも紹介した場面だけではなく職場や学校でもあると思います。SSTで身につけた事を活かす事で、1人でたくさんの業務を抱え込まなくても済む様になり、負担軽減にも繋がります。
おわり
私達が何気なくできるコミュニケーションであっても、精神障害者・発達障害の方にとって苦痛と感じてしまう事が多いと思います。
けれども、SSTを通してコミュニケーションの取り方や相手に対する接し方など、訓練をすることによって少しずつ自信が持てる様になるので、不安が強い方は一度受けてみてはいかかでしょうか。