障害を持った方が通う福祉作業所ってどんな場所?

障害を持った方が通う福祉作業所ってどんな場所?

疑問 女性

福祉作業所という場所をご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。2005年(平成17年)頃から、スタートした障害者自立支援法になる前に呼ばれていた事業所のことです。

今回の記事では、福祉作業所のことについて紹介すると共に、私自身が体験したことなどをふまえて、振り返りたいと思います。

福祉作業所とは

身体に障害を持った方達や知的障害を持っている方が「自立した生活」と「社会参加」をすることを目的とした事業所です。生産活動を通してコミュニケーションの取り方や賃金を得る喜びなどを通して働く楽しさを学ぶことができる施設です。

作業所を選択した理由

福祉作業所を知ったのは中学生の頃でした。現在でいう職業体験がきっかけです。母子家庭で母が運転免許を持っていなく「1週間という体験期間の送迎が難しい」という事で、送迎車がある実習先を探していて出会ったのが福祉作業所です。

 

職業体験を何度かお願いし、所長さんと顔なじみになっていた他、特別支援学校(養護学校)の先輩が数人いるということから、安心して通える点やクルマの運転免許を取得して運転操作に自信が付くまでの間は、自宅から近い場所の作業所で働けるのであれば良い。と考えていたので、特別支援学校を卒業後すぐに作業所に通いました。

障害別に分けられていた

約16年前の4月頃に、障害者自立支援法がスタートしました。それ以前までは、障害別に通う施設が分けられ、身体は父母の会が立ち上げた作業所などに通所で通い、知的障害者の方は法人が営んでいる授産施設へ通って一日を過ごしていました。

 

この頃は、作業所で行われる行事なども別々だったので、授産施設ではお楽しみ会や誕生会はあっても、福祉作業所では一切なく一年通して生産活動に取り組んでいた記憶があります。

委託作業で集中力アップ

学生の時に何度か実習でお世話になったこともあったので、作業所に通いはじめて間もない頃から、委託作業に加わり年配の方とペアを組んで作業をしていました。最初は何をやるのもぎこちなく、破損した商品を見逃してしまい検品ミスを所長さんに注意されていました。

 

しかし、1か月・2ヶ月と時間が経過していくに連れ、集中力がアップし商品の検品や梱包・出荷といった一通りの工程ができる様になりました。

年配の方と、同等に作業をこなす事ができる様になってくる頃には、1台の機械も任され、頼られる存在となり休憩を取らずに作業していると「あめ玉」などをパートの方が持って来ていました。

レトルト食品の箱組み立て競争

季節が夏に季節が近づいてくると、商品の検品だけでなくレトルト食品の箱を組み立てる作業もありました。1日におよそ500~1,000箱を組み立てて、段ボールに納めていくという作業でした。クーラーの入った部屋でラジオを聞きながら、おしゃべりをしながらできたので、作業では一番好きでした。

 

箱を組み立てるという軽作業でも、綺麗に折り目を付けなければ出来上がりが歪んでしまい、積み重ねた時に倒れてしまうので、上手く組み立てができる様になるまでは、やり直しになっていました。

どのポジションでも頑張れる

作業所に通いはじめて3年目が経過する頃には、作業内容が全て出来るようになりました。左手に若干の麻痺はあるものの、立って荷物を運ぶということ以外は出来ていたので、人が足りない時など手伝いに入る事もあれば、朝、作業所に到着して指示を待つのではなく、自らの判断で、作業場に入り1日を帰宅時間まで過ごしていました。

物足りなさを感じた日

作業所は、全面バリアフリーで車椅子でも過ごしやすい場所で、周りの方達も障害を持っているという環境の中ではありましたが、一通りの作業内容をマスターしていた私自身は、いつの間にか「物足りなさ」を感じていた日もありました。

 

身体に障害があるから。軽作業しかできないよ。と作業所の職員さんに思われているのだろうか?と感じたこともあり、自ら事務職もやってみたい。と要望を出し相談をするという事もありましたが、中々受け入れてもらえずに返事を待つ日々が続き、結果としてはPC用のテキストを身ながら、操作の練習をひたすら行うということでした。

 

練習をすると言っても自主学習で、「軽作業以外にできることはないのか。」「これが自身にとって限界なのか。」という自問自答していて、時には、歩いていたら作業所に来なかったのに・・・と思う悔しさを感じていたので、もっと外の世界を知りたくなった。というのもこの時期でした。

最後に

福祉作業所での時間は、とても緩く遅れて行っても注意などがない場所でもあり私用で帰宅する時も、自由だった記憶があります。しかし、作業面では丁寧さが求められます。どの職種に就いても、共通して言える部分があると思います。

 

けれども、自身の障害を理由に避けて通ることは、もったいない。と私自身は感じています。どうしても無理なら諦めるしかありませんが、現在は、就労支援事業所があるので、自身がどんな目標を持ち、今できることやチャレンジしてみたいと思うものなどがあれば、挑戦して欲しいと思います。

障害者手帳・障害年金カテゴリの最新記事

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com