障害者手帳で受けられる割引まとめ

障害者手帳で受けられる割引まとめ

障害者手帳を提示することで受けられる各種割引のまとめ記事です。

 

※この記事は、2020年3月2日~23日に公開した「障害年金だけではない? 障害者になって得したことシリーズ その1~その4」を修正・加筆しまとめたものです。

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JRの障害者割引

まず紹介するのは、JRの障害者割引制度です。

 

なお、現在のところJRで割引が受けられるのは身体障害者及び知的障害者のみで、精神障害者の方は割引の対象となっていません。

 

割引の範囲と割引率

割引が適用される範囲は、障害者手帳の区分(第1種か第2種)によって異なります。

 

障害者手帳の中に「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」という欄があり、そこに第1種か第2種かが書かれていますので見てみてください。

 

第1種でも第2種でも1人で利用する場合は、片道で101km以上(他の鉄道会社とまたがっても可)乗るときに「運賃」が半額になります。

 

これに加えて、第1種の場合は同伴の介護者の方にも同様の割引が適用されますし、第1種の方が介護者と一緒に乗る場合は101km未満でも割引が適用されます。

 

ただし、新幹線や特急列車を利用する場合に必要な特急料金や、グリーン車を利用する場合のグリーン料金などは割引が適用されません

 

たとえば、東京から新大阪まで新幹線「のぞみ」の普通車指定席を1人で利用する場合、通常であれば運賃8910円と特急料金5810円の合計14720円がかかります(2020年8月現在)。

 

障害者割引ではこのうち運賃が半額の4450円(1円単位の端数は切り捨て)になりますので、特急料金と合わせて10260円となります。

 

こう見ると、運賃のみの割引でもけっこう大きいと思いませんか?

 

割引切符の買い方

係員のいるみどりの窓口やJR券を扱っている旅行会社の窓口へ行き、「障害者割引でお願いします」と言って障害者手帳を渡せば、内容を確認したうえで割引切符を売ってもらえます。

 

最近では、みどりの窓口が廃止されて券売機だけの駅も増えているようですが、そのような駅では呼出しボタンを押せば、係員の人が出てきたり、オペレーターと通話したりして対応してくれるケースが多いようです。

 

なお、実際に乗車するときは必ず障害者手帳を携帯するようにしてください。

 

車内での切符拝見や駅での改札の際に割引切符を見せると、たまに障害者手帳の提示を求められることがあります。

 

そのときに手帳を持っていないと不正利用を疑われ、ややこしいことになってしまうかもしれません。

 

JR以外の鉄道会社

JR以外の鉄道会社でも割引制度を設けているところは数多くあります。

 

その中には、JRと同じように一定の距離を利用する場合に割引が適用される会社もあれば、一駅だけでも割引が適用される会社もあり、実状はさまざまです。

 

どのようなケースに割引が適用されるのかは、ほとんどの場合、各鉄道会社のサイトに掲載されていますので、利用前に「〇〇鉄道 障害者割引」などのキーワードで検索してみてください。

 

なお、JR以外の鉄道会社だと、精神障害者の方に対しても身体障害者あるいは知的障害者と同様の割引を行っているところも少なからず存在しています。

 

たとえば、現在私が住んでいる沖縄県では「ゆいレール」に乗る場合、精神障害者の方でも身体・知的障害者と同様の割引を受けることができます。

 

バスの障害者割引

バスの場合、障害者割引は通常運賃の半額となるのが一般的ですが、割引の範囲は会社によってさまざまです。

 

身体障害者や知的障害者のみ割引が適用され、精神障害者は割引が適用されない会社もあれば、身体・知的・精神どの障害であっても手帳を持っていれば割引が適用される会社もあります。

 

また、介護者についても、手帳の区分が第1種の場合のみ本人と同様に半額となる会社もあれば、必要と認められる場合は第1種でなくても半額としてくれる会社もあります。

 

「〇〇バス 障害者割引」などのキーワードで検索してみると、各社の情報が出てくると思いますので、利用前に確認してみてください。

 

利用方法は?

予約不要の路線バスの場合は乗車時もしくは降車時の運賃支払いの際に、運転手さんに障害者手帳を見せて通常運賃の半額(1円単位の切り捨て・切り上げは会社によって異なります)を料金箱に投入します。

 

なお、会社によっては障害者割引用のバスカードを扱っているケースもあります。

 

たとえば、沖縄県には沖縄本島を走る4つの路線バス会社(沖縄バス・東陽バス・那覇バス・琉球バス)とゆいレールで共通利用可能なICカード「OKICA」があり、障害者手帳(身体・精神・療育)を持って窓口に行けば障害者用の「OKICA」を買うことができます。

 

一方、比較的長距離を走る高速バスの場合は、バス会社や旅行会社の窓口で障害者手帳を見せて切符を買うか、ネットや電話などであらかじめ予約しておき、乗車前に窓口などで障害者手帳を見せるというパターンが多いようです。

障害者割引が使える沖縄バス

飛行機やその他の交通機関の障害者割引

飛行機の場合、LCCでは障害者割引の設定がない会社が多いようですが、大手の航空会社には障害者割引の料金が設けられています。

 

ただ、航空券の場合は、障害者割引を使うよりは「早割」を使ったほうが安いケースがほとんどです。

 

それでも通常よりは安い料金で利用できますので、直前の予約など「早割」を使えないようなケースであれば障害者割引を利用したほうがおトクです。

 

なお、利用方法としては窓口で障害者手帳を見せて搭乗券を買うか、ネットなどであらかじめ予約しておき搭乗前に窓口で障害者手帳を見せるというパターンになります。

 

また、フェリーや連絡船やタクシーなどでも一般的に障害者割引が設けられています。

 

割引の対象や内容などは「〇〇フェリー 障害者割引」などで検索してみてください。

 

高速道路の障害者割引

続いて高速道路の障害者割引について紹介します。

 

身体障害者の方が自分でクルマを運転し高速道路などの有料道路を利用する場合、通常料金の半額(10円未満は切り上げ)で利用することができます。

 

重度の身体障害者・知的障害者の方が同乗し、本人以外の人が運転する場合も同様の割引を受けることができます。

 

精神障害者の方には割引は適用されません。

 

手続きの仕方

高速道路の割引利用には、事前の手続きが必要です。

 

手続きは、障害者手帳を発行してもらった市区町村の福祉担当窓口(障害福祉課など)へ出向いて行います。

 

その際、必要な書類は

 

(1)障害者手帳

(2)運転免許証

(3)運転するクルマの車検証(登録できるのは1台のみ)

(4)ETCカード

(5)ETCの車載器管理番号が確認できる書類(ETC車載器セットアップ申込書・証明書など)

 

です。

 

なお、ETCを利用しないなら(4)と(5)は不要です。

 

手続きそのものはそれほど複雑なものではないので、必要な書類さえそろっていれば数分から長くても数十分程度で終わると思います。

 

なお、ETCの場合は手続き時に「ETC利用対象者証明書」と封筒をもらえますので、それを道路事業者の「有料道路ETC割引登録係」に送ってください。

 

後日、割引利用が可能となる日を郵送で知らせてもらえます。

 

利用方法

ETCの場合は、通常利用と変わりません。

 

役所で登録したETCカードを車載機に挿入して専用レーンを通過するだけです。

 

有人の料金所で支払う場合は、障害者手帳の「クルマのナンバーと割引の有効期限が記載されている部分」(役所で手続きをしたときに記載してくれます)を係のおじさんに見せたうえで割引料金を支払ってください。

 

また、精算機の場合は呼出しボタンで係の人に連絡し、後はその指示に従ってください。

 

高速道路の割引利用にあたっての注意

(1)割引には有効期限(手続き後2回目の誕生日まで。更新の場合は3回目の誕生日まで)があり、引き続き利用する場合は役所で更新手続きが必要です。更新手続きは有効期限の2ヶ月前から受け付けてもらえます。

 

(2)割引料金で利用できるのは登録したクルマ1台のみです。それ以外のクルマやレンタカーなどは割引の対象外です。(長期リースの場合、下記の名義の条件を満たしていれば可)

 

(3)登録できるクルマの名義は本人か同居の親族などに限定され、法人名義は不可です。

 

(4)登録できるクルマは車検証に「自家用」と記されているものに限られ、「事業用」は不可です。

 

各種施設の障害者割引

障害者手帳を持っていれば利用料金などが割引される施設が日本各地にあります。

 

以下ではその中でも、私自身が行ったことのある施設をいくつか紹介したいと思います。

 

おまけ程度にご覧ください。

 

旭山動物園

「行動展示」で一躍有名になった北海道旭川市の旭山動物園は、障害者手帳を持っていれば本人と付添い1人が無料で入場することができます。

 

身体障害者だけでなく、知的障害者や精神障害者の方も対象です。

 

私は妻と二人で行ったのですが、入園窓口で障害者手帳を見せるだけで入園券を2枚渡してもらえました。

 

自分の頭の上にかかっている吊り橋(?)をレッサーパンダを歩いていくというシュールな光景が印象に残っています。

障害者割引が利く旭山動物園のレッサーパンダ

 

函館山ロープウェイ

北海道函館市にある函館山の山頂へ上がるロープウェイは、障害者手帳(身体・知的・精神いずれも可)を提示すれば本人と付添い1人が片道500円(通常1000円)、往復700円(通常1500円)となります。

 

切符売り場の窓口で手帳を見せれば、すぐに割引切符を売ってもらえます。

 

函館と言えば朝市や五稜郭なども有名ですが、一番の見どころはなんといっても函館山からの夜景でしょう。

 

その美しさは「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に☆3つで掲載されたほど。

 

私が生涯で見た夜景の中でも、ここの夜景がナンバーワンでした。

函館山からの夜景

 

東大寺

奈良の大仏さんでおなじみの東大寺は、障害者手帳を持っていれば本人と付添い1人の入堂・拝観料が300円(通常は600円)になります。

 

利用方法は、窓口で手帳を提示するだけです。

 

ここはいつ行っても人が多いのですが、朝一番(8時ごろ)なら比較的空いていますのでゆっくりと大仏さんを見ることができます。

拝観料も割引できます!東大寺の大仏さん

 

水木しげる記念館

ゲゲゲの鬼太郎などの作者として知られる故水木しげるさんの出身地、鳥取県境港市には水木しげる記念館があります。

 

こちらでは窓口で障害者手帳を見せれば本人と付添い1人の入館料金がそれぞれ300円(通常は700円)となります。

 

建物自体はそれほど大きくないのですが、内部ではいろんな作品を読むこともでき、半日くらいはあっという間に過ぎてしまいます。

障害者割引が利く水木しげる記念館

 

沖縄県立博物館・美術館

沖縄県那覇市にある沖縄県立博物館・美術館は障害者手帳を持っていれば、本人と付添い1人が無料で入場することができます。

 

ただし、特別展や企画展はその展覧会ごとに異なります。

 

数年前に「水木しげる展」が行われた時は、手帳を提示すれば本人と付添い1人が通常1100円のところ半額の550円で入場することができたように記憶しています。

障害者割引が利く沖縄県立博物館・美術館

 

美ら海水族館

最後に紹介するのは、沖縄県本部町の海洋博公園内にある美ら海水族館です。

 

障害者手帳(身体・知的・精神いずれでも可)を窓口で提示すれば、本人と付添い1人が無料で入場できます。

 

2人で3760円もかかるところを無料で入れるとあって、我が家では夫婦そろって何度も出かけています。

 

おすすめはジンベイザメの食事タイム。

 

世界最大級の巨大な水槽の中で、これまた巨大なジンベイザメが飼育員の方からエサを口に入れてもらう光景は迫力満点です。

美ら海水族館のジンベイザメ

 

最後に

今回は、障害者手帳で受けられる割引について紹介しました。

内容がみなさんのお役に立てば幸いです。

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