全国から集まる障害者の集い甲子園へ行こう!

全国から集まる障害者の集い甲子園へ行こう!

甲子園

21年前の8月。当時まだ高校生だった私は学校のすすめもあり、1人で初めて甲子園に行きました。「住み慣れた県内から一度も出た事がないのに、果たして無事に辿り着くことができるのか?」と不安を感じながら、旅がスタートしました。

甲子園に行くきっか

動くことが好き・自身の考えや思っている事などをはっきりと言う性格だった私。学校では活発な生徒と言われていました。 勉強は苦手な科目もあったけれど、数学で言えば問題の解き方・国語で言えば、文章読解・書く・表現力、英語では、聞く力・英文を読み理解する。というのは、力が付いてくると、自然と前に進んで行くというのがありました。

 

甲子園に行くきっかけの話をくれたのは、英語の教科担当の先生だったと思います。授業に入る前には、必ず雑談から入って行きました。そこで「県・学校代表して参加できそうな生徒を探しているけれど、行ってみない?」という声かけがありました。

参加条件は全て自力で行う

全国から集まる障害者の集いへ参加するには、いくつかの条件をクリアすることでした。まず1つは、甲子園に行くための旅費(飛行機・鉄道・電車・バス・モノレール)といった交通機関の往復運賃を調べて、各自でその内容を実行委員会まで期限内に提出することでした。

 

私が住んでいる地域は、飛行機やバス・タクシーはあっても、地下鉄・電車・モノレールがないので、目的地まで行くための切符の金額や電車の乗り継ぎ、駅内を車椅子で移動となると手荷物を持ったままだと大変だったため、サポートなどが行えるかどうかの確認をする必要がありました。正直、本当に目的地まで、無事に辿り着けるのかこの時は不安で仕方がありませんでした。

荷造りも手探り

初めて知らない土地へ行くという事もあり、荷造りなども悩みながら準備した覚えがあります。8月というと暑い夏で私が住んでいる地域では、日中は半袖で過ごせます。暑さを和らげるには、水分を補給することでクールダウンが可能な場所です。

 

ですが、これから行こうとする場所は、住んでいる地域よりとても暑く、天候が崩れるとひんやりする場所でもあったので、どの様な服装が良いのかも悩みましたし、宿泊分の着替えをボストンバッグに入れるか、キャリーバッグを買いそれに入れるかなども迷いました。

 

車椅子移動になると便利と感じていた方法が、不便と感じる事もあったので私にとっては、荷物を入れるバック選びも大変でした。

甲子園のイベントへ向け出発

出発の当日、親の心配をよそにイベント会場となる甲子園へ向け、胸をワクワクさせながら飛行機へ乗り込みました。調べた通りに行けるのか?集合場所に約束の時間に到着できるのかという不安はありましたが、無事に到着してボランティアの方達と合流できた時は、無事に到着したという安心感と、1人で来ることができた!という嬉しさがこみ上げてきました。

 

そして、緊張しながらもボランティアの方と話しをしていると、参加者だけでなく実行委員会・ボランティアの方も、全員が高校生だと聞いた時は驚きました。

私より障害の重い方がいる。人工呼吸器という医療機器を使用している方や耳の不自由な方・白杖を持った全盲の方もいました。

意見交換会を経て国会へ

全国から、参加者が集まったところで、親睦会をやりつつ日常生活を送る中で困っている事や、福祉制度について不便と感じていることなどを、街頭で呼びかけたくさんの方に署名をお願いしました。

 

しかし、ただ行うだけでは意味がないという事もあり、私も含めて参加者全員が思っている事や感じている事などを、1人ひとり話しながら署名も一緒に集め、集会終了後に新宿から電車などを乗り継ぎ、夜行列車に乗車し、千代田区にある内閣総理大臣のいる国会へと向かいました。

目をこすり到着

2泊3日という期間で、国会まで行くスケジュールは、とにかくハードで常に参加者全員の協力が必要でした。特に車椅子ユーザーと呼吸器を使用している方には、一番気を使ったとボランティアの方から聞きました。

 

けれども、無事に国会へ辿り着いた時は参加者全員で、拍手をしていました。夜行列車はおり場所を逃してはならないと、交代で仮眠をとり目的地の駅を目指しました。

2泊3日は、長く感じてもいたはずなのに、解散時には皆が「離れたくない」という程、仲良くなっていました。

まとめ

身体に障害があると、1人で旅行に行く事やイベントへ参加するために、住み慣れた場所から出ることは、簡単とは言い難い部分もあると思いますが、一度挑戦してみると楽しいと感じる事ができます。

また、声に出すことで周りの方が気づき目的地まで行けることを知った時は、とても嬉しくなり、家族以外の方にも手助けを頼むことができる。という自信が付きます。

 

皆さんも機会があれば、同じ世代の方が主催する宿泊を兼ねたイベントへ、参加してみるのも良いでしょう。

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