統合失調症を患って8年が過ぎようとしています。私は病気になってから数年後に出産を経験しました。出産は大変だけれど、それと同等に育児が本当に大変です。今回は私の体験を元に、育児で活用して良かった便利なサービスについて紹介していきたいと思います。
居宅介護支援
私は産後の1年間、養育支援訪問事業を利用していました。これは、出産後間もない時期(おおよそ1年程)の養育者が、産後うつ状態・育児ノイローゼ・育児ストレス等の問題により、子育てに対して強い孤立感や不安等を抱える家庭にヘルパーさんが訪問をして家事支援や育児支援を行うサービスの事です。
訪問中は食事の準備から、子供のお風呂や夕飯までをあげる支援を行ってもらっていました。1年間利用してみて、私の体調はまだ良好ではなかったことから、次にこの支援が居宅介護支援に切り替わったのです。(養育支援の利用の期限は1年間のため)
居宅介護支援とは、ケアマネージャーとよばれる介護支援専門員が、利用者の必要としている介護保険サービスを十分に活用できるようにケアプランの作成を行ってくれるサービスになります。
養育支援と同様に、家事支援や育児支援のためヘルパーさんが訪問してくれるのです。養育支援との違いは、支援するヘルパーさんはあくまで自立に向けた支援を行うという事です。ですから、いずれは支援を卒業できるように家事や育児の自立に向けての指導や相談等を行います。
とはいっても、3ヵ月ごとのモニタリングにより無理のないケアプランにそって、その方に合わせた内容を行うので、自立に向けて楽しく継続する事ができるでしょう。
訪問看護
子供が生後半年頃に、主人は月の半分が出張という勤務体制になってしまいました。子供は保育園に入れていたので、少しは負担が軽くなっていた事を私は甘く見ていたのです。
体調は急におかしくなりました。その頃は、居宅介護支援でヘルパーさんも利用していましたが、幻聴が聞こえるようになったり、保育園や市役所の方と意思疎通ができなくなったり、よくヘルパーさんの前で辛くて泣いている事もありました。
普段は絶対しないような行動に出たり、自分が自分じゃないような感じでした。ある時、我慢ができなくて、予約もしていないのに泣きながら病院に電話をかけた事があります。それは、私からの必死のSOSでもありました。
主治医の先生はとてもビックリしていましたが、すぐに訪問看護を提案してくれたのです。
訪問看護とは看護師が自宅に訪問して、利用者の障害や病気に応じた看護を行う事です。私の場合、週に一回の訪問看護の日が入りました。
血圧測定から始まり、お薬をきちんと飲めているかの指導、また病気に対する不安や症状が出た時にどのように対応すればよいかを専門的にアドバイスしてくれたのです。もちろん、専門的な話だけでなく、時には日常の話し相手として困ったことや起こった出来事を聞いてくださってもいて楽しい時間を過ごしました。
看護師さんのお陰で、私の症状は次第によくなり訪問看護は数か月で卒業できました。主治医の先生がおっしゃっていた事なのですが、SOSが出せたのは良かったこと。これが出せなくて悪い方に行く患者さんも中にはいるので、家族の方はよく様子をみて変化を感じたら主治医に相談する事を話していました。
私の病気は完治することはなく寛解(症状が落ち着いて安定した状態)を目標にしています。また悪化する可能性も否定できない中で、訪問看護に出会えた事は幸いです。
一時保育・病児保育の利用
私は子育てをして約2年になりますが、休日でも自身の体調がすぐれない時には躊躇なく一時保育を利用しています。
一時保育とは、ママが子供の面倒を見る事が出来ない際に、時間単位や一日で一時的に子供を預けられるサービスの事です。
利用する前は、「せっかくの休日なのに子供と離れて可哀想かな。」「周りの目も気になるわ。」と気にして利用をしていませんでした。
しかし、ママにも休息は必要です。特に障害を持っていると、健常者と比べてストレスに弱く疲労しやすい部分もあります。精神障害は外から見えにくい障害でもあるため、利用にはためらいましたが、一度利用してみると、一人の時間をゆっくり過ごす事ができ体調も回復し、もっと早くから活用すれば良かったと思ったほどでした。
また私は普段、a型作業所で働いていますが、子供が風邪で保育園をお休みする時なども、病児保育を利用する事が多いです。風邪で弱っている我が子を慣れない病児保育に預けるのは可哀想。という思いから、病児保育の活用に踏み出せない方は多いかもしれません。
私も初めはそうでした。しかし、一度利用してみる機会があり、登園させてみて想像以上に安心感を得たのです。なぜなら看護師さんが常にいてくれて何かあった時にも安心して任せる事ができるからでした。
症状に合わせて個別に対応もしてくれますし、手厚くきめ細かく保育してくれます。また年齢の異なる新しいお友達もでき子供も喜んでいました。私自身は、子供を看護師に預けた事で安心して仕事にも集中する事ができました。
お迎えにいった時に笑顔で出迎えてくれる子供を見て、必要な時には躊躇なく利用をしていこうと思った出来事でした。
まとめ
障害を抱えての子育ては時に孤独で、寂しい時があります。しかし、私達を励まし力を与えてくれる人達がたくさんいると言う事も子育てを通して、知る事ができました。
様々なサービスを上手く活用する事で、統合失調症でも子育てをこなす事は可能です。是非、一人で抱え込まないで上手くサービスを活用してほしいと思います。