仲間で支えあうピア・サポート

仲間で支えあうピア・サポート

同じ病気や同じ障害、同じ世代や同じ環境などなど。状況が分かるからこそ共通の認識で話せたり、悩みを打ち明けたりすることができます。ピア・サポーターは、同じ視点を持つ仲間同士が支えあい助け合う働きです。

この記事では、ピアサポーターの役割や研修制度などについて、ご紹介していきたいと思います。

ピア・サポーターの特徴

「ピア(peer)」とは英語で「仲間」とか「同じ立場の人」という意味があります。

ピア・サポーターは、同じ立場の人の相談を受けることをいいます。

同じ立場であったり状況を分かり合えるからこそ、伝わる言葉や対応があるように思います。

 

3つの役割とは?

ピア・サポートには3つの特徴があります。

1つ目は「情報提供」です。ネット社会の現在、自宅に居ながらにしてあらゆる分野の情報を手に入れることができます。しかし、同じ立場だから言える(知っている)情報はなかなか手に入るものではありません。ピア・サポーターは、そういった情報をアウトプットできます。

2つめは、「同じ仲間として携わる」です。共感できる仲間ってとても大事ですよね?もちろんサポーターとユーザーという立場の違いはありますが、共感できる仲間として携われるのは大きいです。

3つ目は、「地域社会とのかかわり」です。例えばアルコール依存症など、まだまだ偏見の目がありますよね?こういった地域社会とのかかわり方も、ピア(仲間)だからこそ助言できたり、助けあえることがあるでしょう。これもピア。サポーターの大事な役割です。

 

次の項では、わたしの小さな体験をご紹介します。

 

あこがれの先輩

わたしには、学生時代からあこがれている女性の先輩がいます。

彼女は、幼いころに視力を失っていましたが、とても積極的で新しいお仕事にも果敢にチャレンジする、とてもかっこいい女性です。

かつてわたしは、東京や神奈川・沖縄で電話交換という企業の電話受付業務をしていたのですが、この仕事を目指したのも先輩の影響でした。

 

先輩のお仕事

今から6、7年前でしょうか?

わたしは、勤めていた会社を辞め次に進むべき道を模索しているときに、無料のピアサポーター短期養成講座に参加しました。そのときは、これを仕事にする手立てはなかったのですが、音信不通だった先輩がピアサポーターをやっていると聞き、久しぶりに連絡を取ってみました。

 

ピアサポーターやってみない?

先輩は、那覇市社協で中途視覚障がい者の方を対象に、ピアサポーターをされていました。

視覚障がい者オンリーですから人数は5,6人ほどでしたが、中途で視覚障がいになったときに、なんでも相談できるところを探すのは本当に大変ということで、皆さんこの集まりをとても楽しみにしているようでした。

先輩からは、ちょうど手伝ってくれる人が欲しかったということで、ほんの数か月でしたが、手伝わせていただくことになりました。

 

皆さんと見えない世界についてお話や情報交換をし、あるときは年齢を重ねての失明で自暴自棄になってしまった方と、涙ながらにお話することもありました。この中で貴重な経験をさせていただき、こういったサポートの重要性を強く感じました。

 

ピア・サポーターの研修および養成

ピア・サポートは、「ピア・サポーターの育成」と、ピア・サポーターを取りまとめる「管理者の養成」という2つの目的があります。

特別な資格などは今のところありませんが、身体障がいや精神障がいなど状況に応じた養成講座などは、各地で行われています。参加者には、当事者だけでなくピア・サポーターの雇用を検討している事業者の方の参加もあるようです。

 

一例として沖縄県では、社会福祉法人  沖縄県身体障害者福祉協会の主催で実施されています。内容は定員50名で4日間ほどの日程となります。講習終了後は終了所のが交付され、沖縄県や沖縄県身体障害者福祉協会にピア・サポーターとして登録されるようです。※くわしくは、沖縄県身体障害者福祉協会にお問い合わせください。

参考情報:令和3年度 ピアサポーター養成講習 開催要項 https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/shogaifukushi/jigyo/documents/r3_piasaportarkenshu.pdf

 

まとめ

今回は、ピア・サポーターについて、体験談を踏まえてご紹介しました。

もしかしたら、病気を抱えているがゆえに悲観的になっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そういった経験がだれかの助けになるとしたら素晴らしいですよね?

 

また、ピアサポートからヒントを得ているのか、ピア効果というものが企業で取り入れられはじめています。

ピア効果とは、目的の近い社員同士が同じ環境で切磋琢磨し、モチベーションを高め、さらに高いレベルを目指すようになったりすることです。これは、各企業の人材育成や生産性向上にもつながるとして、注目されています。

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