障がい者の可能性を広げる義肢装具士のお仕事

障がい者の可能性を広げる義肢装具士のお仕事

以前テレビで、ミニスカートが似合う女子高生くらいの女性が義足を使うことになったドキュメンタリーを見て、衝撃を覚えたことがあります。そこでは、本物の足に近づけたいというご本人の想いと、それに応えるべく製作に励む技師装具士の方の姿が描かれていました。彼女のこだわりは「膝小僧」。それが理想通りに出来上がったとき、わたしもテレビの前で手をたたいて喜んでいました。

今回は、前回の「歩行訓練士のお仕事」につづき、お仕事シリーズ第2弾「義肢装具士」のお仕事を調べてみたいと思います。

義肢装具士とは?

義肢装具士のお仕事は法律上では、ドクターの指示のもと、義肢および装具の装着部位の採型を行い、義肢や装具の製作を行って、身体への適合を行うお仕事とされています。しかし、手や足などの一部や全部を失った方への心遣いや、日々を楽しく暮らしていけるよう患者さんのご希望に沿って製作していくことが重要かと思います。

もちろんドクターの指示のもとですが、単にモノづくりの技術だけでなく、患者さんの意思をくみ取るコミュニケーション力も重要なお仕事ではないかと思います。

 

義肢装具士のお仕事は?

義肢装具士は病院ではなく義肢装具専門の民間企業に所属します。この企業が病院やリハビリテーション施設と連携し、医療チームを組んで患者さんのケアに当たります。

 

ギブスなどで患者さんの体をかたどりし、この型をもとに義肢装具製作にあたります。義足や義手の素材には、金属・プラスチック・皮革・繊維材料など、あらゆる素材を用いて製作し、実際に装着してもらって微調整を繰り返し患者さんのお体にぴったり合った装具をつくり提供します。また、その後の定期的なメンテナンスにも対応します。

 

義肢装具の受験資格を得るには

義肢装具士には3つの方法があります。

 

方法(ルート)は3つ

Aルートは、国にある指定養成校(大学・専門学校)にて、高校卒業後3年以上の過程を修了するコースで、Bルートは、一般の大学・短大・専門学校を卒業ののち、指定の養成大学、あるいは専門学校を2年以上通うルートです。※ただし、2年間の指定養成校はないため、Aで上げている指定養成校に通うことになります。Cルートは、海外の義肢装具士の養成校で学んだり免許を取得した方が、日本の国家試験を受け厚生労働大臣の認可を受けるルートです。

 

指定養成校について

義肢装具士養成のための指定校は、全国で10校(大学4校・専門学校6校)となります。義肢装具士養成施設に通い卒業する。あるいは、一般の大学を出たのち、2年以上指定養成校で学び卒業することで、義肢装具士の受験資格が得ることができます。

 

何を学ぶ?大学と専門学校の違い

大学と専門学校では、卒業までの年数に違いがあるため、学習できる内容に若干の違いもあります。義肢装具の製作技術・基礎医学・リハビリテーション学は共通して学びます。

 

大学では短大もありますが、主に4年間制で学ぶことになるため、高度な知識・心理学といった周辺領域や、一般教養や語学なども習得できます。さらに、大卒資格や大学によっては他の資格が得られるチャンスもあります。知識と技術をじっくり学びたい方におすすめですね。

 

専門学校では

一方専門学校では、義肢装具士の学びに特化した、実習を中心のカリキュラムが基本です。

基礎が定着した後、関連の製作所や病院などで義肢装具の臨床実習を行い、国家試験対策に備えます。学習期間が短いぶん大学に比べハードなカリキュラムとはなりますが、現場に出て活躍できるのが早くなります。早く就職したい方におすすめかもしれません。

 

期間と費用(学費など)

資格試験を受けるためには、専門学校では3年間、大学では3年間学ぶことになります。

学費は、専門学校で500万円ほど、大学では600万円から700万円ほどの学費が必要となります。医療系はやはり割高となりますが、今は返済義務のない奨学金制度などもありますので、必要に応じて活用することもおすすめです。

まとめ

今回は、障がい者の可能性を広げる義肢装具士の資格取得のための大学や専門学校などについてご紹介しました。

義手や義足・補装具製作は、使う人の人生そのものに大きく関わってくるので、とても重要なお仕事だと思います。患者さんの心に希望を届けられる素晴らしいお仕事ではないでしょうか?定期的なメンテナンスなどで、コミュニケーションも生まれますしね。興味を持った方は、ぜひトライしていただきたいな〜と思います。

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