身体に障害を持っている人を見かけたりすると
「不便そう」
そんなイメージを抱く人も少ないはずです。
ですが、当事者はそれを放置しているわけではありません。
少しでも快適に過ごせるように道具を使っています。
それが「補装具」です。
ただ、これについても申請と切っても切り離せない話になっています。
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何かと不便になります
「障害を持っている」
と聞くと日常生活が不自由・不便といったイメージを持っていますよね?
まぁ、確かに不便です。
否定はしません!
おそらく私がそう思うのは、中途で障害を持ったからでしょう。
(もっとも「自覚させられた」というのが正確ですけど)
今は視覚障害者ってことになっていますが、全く見えないとか視力が極端に悪いとかではないんです。
視野が狭いんです。
そう言われてもピンと来ないかもしれませんが、簡単に言うと見えている範囲が非常に狭いということです。
「5円玉や50円玉の穴から物を見る感じ」
なんて例える同じ病気の人がいるくらいです。
ですから、一応見えてはいるのでかなり自覚しづらいんです。
自覚して病名をもらう頃には、だいぶ進行している状況でした。
そして、自覚すると「不便」の一言。
どう不便かというと、視野が狭いのでまず車の運転をやめます。
そして、注意深く歩かなければなりません。
ここまで言えばわかると思いますが、移動がこの上なく不便なんです。
ついでに言うと、歩道にある車止めのようなコンクリートのポールに思いっきり膝をぶつけて悶絶したこともあります。
補装具って知っていますか?
このように障害を持つと様々な不便さや、私の場合は悶絶する危険を抱えながら生活を送ります。
ただ、それを多少和らげてくれる道具があります。
それが補装具です。
「って何?」
と思った人もいるでしょう。
車いすや義手、義足、私のように視覚障害があるなら白杖などが補装具と呼ばれます。
こんな感じで例をあげられると、補装具が何かイメージできませんか?(できなかったら、すいません)
つまり、補装具とは簡単に言うと
「身体に障害を持っている人の生活をサポートする道具」
といったところになります。
で、この補装具を全額自腹で購入しようとすると、かなり金額がかかるものもあります。
ちなみに、私は「遮光眼鏡」という補装具を使っているのですが、普通に購入したらレンズだけで5万円くらいします。
正直、買う気なくしますよね。
これまた申請が…
お金の話を聞いて、
「やっぱり、買うのやめようかな」
なんて思った、そこのあなた。
朗報があります!
何と、この補装具は原則1割負担で購入可能なんです。
「え!?」
と思った人はリアクションがいいです。
きっとテレビショッピングに出れます。
なぜそうなるかというと、購入費用の給付という形で補助してくれる制度があるからです。
ただし、というか当然ながら制度を利用するには申請が必要になります。
そして、申請しに行くのはもちろん役所です。
ということは、相談するのも役所、必要書類を確認するのも役所。
もう、とにかく役所です。
「そこに役所があるから!」くらいの勢いで申請の相談に行ってください。
結構、時間かかります
「1割負担なら購入しようかなぁ~」
と思いますよね。
ですが、思っているよりも購入までには時間がかかります。
下手すると障害者手帳の申請よりも感覚的に時間を要するかもしれません。
大まかな申請の流れとしてはこんな感じです。
1.役所へ相談
2.書類をそろえて申請
3.役所が判定を依頼
5.判定を受ける
6.判定が下りる
7.業者と契約
8.適合判定
9.補装具の受け取り
この流れは、私の住んでいる市の手順を簡単にまとめたんですが、「7」でようやく契約となります。
しかも、判定をするのは役所ではなく更生相談所という別の機関となっています。
そうなってくるとなんとなく時間がかかるのはわかると思いますが、一応目安を説明しておきますね。
相談から役所が判定を依頼するまでで2週間、判定を受けてから下りるまでで8週間となっています。
それ以降は役所が関与していないので、受け取る補装具次第かなと思います。
つまり、2か月以上は余裕でかかると覚悟しておく必要があります。
ただ、この目安も私の住んでいる市の場合なので、住んでいる地域で多少異なる可能性があります。
また、私の使っている遮光眼鏡のほか、既製品の車いすや歩行器などは役所が直接判定をするものとして分類されているので、若干早く手続きが進みます。
ですが、これも市区町村によって分類が違ってくるかもしれないので、しっかり確認をとってください。
最後に
原則1割負担で補装具の購入ができると話しましたが、所得によってはそうではなくなります。役所が負担する分に上限が設けられ、それ以上の金額になった場合は差額分を自己負担することになります。
それから、受け取りをするための券が発券されますが、それをなくすと受け取りが困難になるので注意してください。
とにかく、何かと時間がかかるので全額自己負担しても痛くもかゆくもないのであれば、ササっと自分で手に入れることをおすすめします。
あと、まだ話し切れていないことがあるので機会があればお話したいと思います。
ただ、気が向いたらね。